戦闘機で「馬」にちなんだ名前として有名なのは、野生化した馬の名前を冠す第二次世界大戦中で最高の機体とも称されるP-51「マスタング」があります。
【バランスよくなさそう…】これが、ツインマスタングの夜間戦闘機型です(画像)
実はこの機体をベースとした奇妙な機体が存在します。
「ツインマスタング」は1945年の6月15日にアメリカで初飛行。その名前の通り、P-51「マスタング」をふたつ合体させたような構造になっており、「双子機」とも呼ばれています。双子が手をつないでいるような外観で、機体の中心線から右と左でそっくりの形をしています。操縦席もふたつあり、パイロット2名が乗り込みました。
なぜ、このような機体になったかというと、パイロットの負担軽減という狙いがありました。P-51は高い戦闘能力と優れた航続力を持っていたため、B-17やB-24、B-29など長距離戦略爆撃機の護衛機として用いられました。しかし単座であるため、パイロットひとりで長時間にわたり操縦し続けなくてはならず、そのうえで敵地上空で戦闘して帰ってくるのは、かなりの負担でした。そしてB-29の後継機はさらに航続距離が延びることが予想され、もはや護衛機をひとりで対応するには不可能になるのではと予想されていました。
長時間操縦するなら人数が必要?
そのため、ふたつの航空機を合体させ、もうひとりパイロットを搭乗させることで、その負担を軽減させようと開発されたのが「ツインマスタング」でした。P-51「マスタング」という既存機体の部品を流用することで、開発期間やコストの軽減も考えられていました。
飛行するF-82「ツインマスタング」(画像:アメリカ空軍)
ただ、さすがに単純にふたつの機体を繋げるというわけにはいかず、機体後部や垂直尾翼などは大幅に改修されました。
しかし、同機を投入予定だった第二次世界大戦は、日本が降伏したことで終了してしまい、生産機のほとんどがキャンセルとなってしまいます。ところがB-29の後継機であるB-36が登場すると、通常の単発機より長距離を飛べる「ツインマスタング」が再評価され、生産が再開されることになり、日本にもアメリカ軍が配備したことがあります。
さらに朝鮮戦争では、主要中央にレーダードームを設置した、夜間戦闘機型が投入され、当時のジェット機では難しかった長距離戦闘や夜間での戦闘に使われることになりました。朝鮮戦争時に夜間の空戦専用機として運用されていた夜間戦闘機は同機くらいしかなく、朝鮮戦争に国連軍が参戦した当初から試使用され、北朝鮮空軍のラボーチキンLa-7戦闘機1機の撃墜も記録しています。

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