世界にはさまざまな“背徳グルメ”が存在します。日本でいえば、ニンニクマシマシ系ラーメンや、家系ラーメンにライスを付けるフルセットなどが代表例でしょう。
【写真】えっ…これが「欧州最凶クラスの背徳メシ」驚愕の全貌です
スロバキアはオーストリア、チェコ、ウクライナなどに囲まれた内陸国で、首都はブラチスラバ。今回向かったのは、中央駅から数駅進んだ市中心部にあるトラムの停留所「セントラム」駅の目の前です。駅前に建つ大型ビルの2階にフードコートがあり、そこで今回の主役と対面しました。
注文したのは「スマジェニー・スィール」。価格は7.2ユーロ、日本円でおよそ1330円です。ひと言で説明すると、これはチーズフライです。スロバキアではチーズが日本とは比べものにならないほど日常的に食べられており、この料理も国民食のひとつとして親しまれているようです。
提供された皿には、まず大量のフライドポテト。その上に、10センチ角ほどのチーズフライがどーんと鎮座し、横にはタルタルソースが添えられていました。盛り付けはシンプルですが、情報量はかなり多めです。
まずはポテトからいただきます。味は、黄色い「M」のロゴでおなじみのファストフード店のポテトに非常に近く、日本人でも違和感なく食べられるタイプです。続いてチーズフライをいただきます。予想通り、中身は潔いほどにチーズのみでした。衣の中から、熱々のチーズがそのまま主張してきます。
ただ、想像していたよりもしつこさはありません。チーズ自体は比較的さっぱりしており、塩味と旨味のバランスも良好です。感覚としては、チーズ味のお餅に近い印象すら受けました。添えられているタルタルソースも、日本のものより酸味が控えめで、全体的に軽めです。
背徳グルメとして整理すると、この一皿はかなり分かりやすい構造をしています。チーズフライが家系ラーメン、フライドポテトがライス、タルタルソースがおろしニンニク、と考えるとしっくりきます。前半は意外なほどスルスル食べられ、「あれ、美味しいぞ。
とはいえ冷静に考えると、チーズを揚げて、タルタルソースをかけ、それをフライドポテトと一緒に食べるという行為は、日本基準では完全に背徳の極みです。そう考えると、野菜が多少なりとも入っているラーメンという料理は、実はかなり健康的なのではないかという錯覚すら覚えました。
今後、筆者はニンニクマシマシ系ラーメンも家系ラーメンも、胸を張って“健康食”として食べていこうと思います。スロバキアで学んだのは、背徳の基準は国境を越えると簡単に壊れる、という事実でした。

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