2019年に開設されたANA(全日空)の「羽田~ウィーン(オーストリア)」線。ANA 倉田紀彦ウィーン支店長によると「搭乗率は非常に好調で、私が着任した4月以降、ざっくりですが9割近い状況で推移しています」とコメントしています。
羽田~ウィーン線は週3往復で、ボーイング787で運航されています。ウイーンは音楽・芸術など観光資源も豊富で、「世界で最も住みやすい都市」に選出されたこともあります。とくに11月から12月に行われているクリスマスマーケットは規模が大きく、夜の景色は他のヨーロッパより華々しいイメージです。また市街地の道路も、フランスなど他のヨーロッパ諸国と比べても遥かにキレイに保たれており、比較的治安が良いことも特徴です。
倉田支店長は日本人旅行者の過ごし方について、「教会やオペラ鑑賞、美術館巡りなど、音楽や芸術に触れる目的の方が多いようです。観光統計によると、ウィーンでの滞在は2泊程度と比較的短く、多くの方はここを拠点にプラハ(チェコ)など近隣の都市へも足を延ばされているようです」と話します。
一方で同路線における強みで、高い搭乗率を支えているのが、乗り継ぎ需要なのだとか。これは、羽田発便においてとくに多くを占め、倉田支店長は「日によっては7割近く、平均しても5割から6割を占めます」と話します。
「当初はオーストリア航空のハブということで東ヨーロッパへ乗り継がれる方が多いと想像していましたが、実際にはフランス、イタリア、スペインといった方面が多数を占めます。また、弊社が直行便を運航しているロンドンやパリへ乗り継がれるお客様もいらっしゃいます。これは、ウィーン線が羽田を深夜に出て早朝に到着するため、朝早くから乗り継げる利便性が選択されている理由かと思います」
さらに、倉田支店長はウィーン空港の構造も、乗り継ぎの利便性向上の一助になっていると話します。
「ウィーン空港はオーストリア航空のハブ空港ですが、フランクフルトやミュンヘン(編注:ともに乗り継ぎ客が多いドイツの空港)と比べて非常にコンパクトなのが特徴です。そのため、乗り継ぎ時間が非常に短く設定されています。ANAではそこまで楽観的な見方はしていませんが、空港の運営会社は「25分で乗り継ぎが可能だ」と話すほどです。移動も横に長く歩くのではなく縦の移動が中心なので、お客様にとって利便性は非常に高いと思います」

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