首都高速の料金値上げが2025年12月24日に発表されました。現行の料金を全体で1kmあたり10%引き上げます。
【え…!】これが首都高の「値上げ案」と「破格の割引」です(画像)
なぜ値上げが必要なのか。首都高速が大きな要因として掲げるのは、維持管理コストの上昇。いわゆるコストプッシュ型の値上げです。直近10年間でコストは約1.4倍に上昇し、労務費や材料費の高騰分に対応できていない状況です。「維持管理コストの上昇への対応が喫緊の課題」と、寺山 徹社長は会見で説明しました。
首都高速によると年間通行料金収入は2700億円。それに対する支出も2700億円。管理費(約800億円)と建設費などの債務返済(約1900億円)が内訳です。高速道路会社は償還事業を行う民間会社なので、収支が均衡していれば企業の利潤は不要です。
2026年10月予定の料金改定以降は、通行料金の値上げによる約200億円の収入増に対して、労務費増による200億円のコスト増が見込まれ、新たな年間支出額は約2900億円。このため、通行料金の値上げが欠かせないというわけです。
ただ、これは「当面5年の維持管理」を見越した対策で、その先は未定だといいます。なぜ未定なのかは、次の理由でわかります。
首都高速がもう1つの理由として挙げるのが「物流対策」です。
高速道路会社の物流対策とは、通行料金を「大口・多頻度割引」で大幅に割り引いて、輸送コストを低く抑えるための対策のことをいいます。同社は料金改定と同時に、2030年までこの割引を継続すると公表しました。5年後もこの割引を続けるなら、さらに通行料金の値上げの必要に迫られます。
首都高速は、この物流対策に年間約300億円を見込んでいます。ただ、前述の収支の説明には、この300億円は含まれていません。すでに、割引額を差し引いた通行料金収入を記載しているからです。割引をしなければ、2700億円+300億円で、収入は3000億円が見込めます。200億円の支出増を差し引いても、収支は100億円のプラスとなる計算です。
「公平性の観点からも見直す必要ある」の意見も大口・多頻度割引には、2つの問題があります。
値上げ案を公表する寺山 徹社長(中島みなみ撮影)
確かに、月間利用額が100万円超、1台あたりの平均利用額が5000円を超える”大口”契約者であることが前提ですが、大口割引が10%の上に、利用頻度に応じて35%の割引が上乗せされて、最大45%割引されます。さらにその上で、他の割引との併用ができます。例えば、0時~4時に利用すると、深夜割引の20%が適用されますが、その割引後の料金に大口・多頻度割引が適用されます。
どんな利用車が割引を受けているのか。同社は次のように説明します。
「車種区分では中型以上が大口・多頻度割引の中心です。この中型以上の約80%が割引の対象となっていて、最大で普通車とほぼ同額になります」
通行料金は、重量による道路損傷度、大きさによる道路占有度、経費節減などの便益の3つの要素で適正な車種区分比率が定められています。普通車1に対して、中型車1.2、大型車1.65。しかし、大きな割引によって、料金収入の実態は普通車料金レベルに抑えられているわけです。
今回の値上げ案策定の指針となった「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」では経営の改善点として、大口・多頻度割引についても「受益と負担の均衡性を図るという公平性の観点からも見直す必要がある」と指摘しました。日々の暮らしに影響する物流コストの抑制は必要ですが、高速道路の通行料金だけで支えるべきなのでしょうか。
首都高速は今回の値上げ案に対するパブリックコメントの募集を始めています。2026年からは1都2県の関係自治体による地方議会の議論も始まります。通行料金はどうあるべきか。単に値上げ幅だけの問題ではありません。

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