給油できない… “GS空白地帯”はなぜできた?

 夜の高速道路を走っていて、燃料計の給油ランプが点灯。「次のサービスエリアで入れればいいや」と軽く考えてたどり着いてみると、ガソリンスタンド(GS)の照明が消えていて真っ暗だった。

そんな絶望的な経験をしたことがあるかもしれません。

【え、PA以下じゃ…】これが「日本一質素かもしれないSA」驚愕の全貌です

 “高速道路のGSは24時間営業していて当然”というのは、もはや過去のハナシになりつつあります。じつは今、高速道路上であっても給油できない区間、いわゆる“GS空白地帯”が全国的に問題となっているのです。

 GSの間隔が100km以上、あるいは150km以上も空いてしまう区間は、全国に数十か所も存在します。2026年1月現在、夜間におけるガソリンスタンド空白最長となっている区間は、道東自動車道・由仁PA~帯広SA間の約175km(GSのあるSA・PA間)となっています。

 また、改修工事等により休業中のガソリンスタンドもあります。一例を挙げると、山陽自動車道の主要SAである「宮島SA(下り)」のガソリンスタンドが、2025年2月から半年以上も営業を休止する事態となっています。

 なぜ、これほどまでに高速道路のガソリンスタンドは減ってしまったのでしょうか。

 その理由には、人手不足・採算性という大きな2つの問題がありますが、消防法改正に伴う設備投資の負担も大きな要因となっています。

 2010年の消防法改正により、腐食劣化による地下タンクからの流出事故を防ぐため、耐用年数40年を超えた地下タンクについて、改修または交換が義務付けられました。

 改修工事には500万~800万円、タンク交換には3000万~4000万円の多額の費用が必要です。この高額な設備投資により、耐用年数を迎えるタイミングで廃業を選択するスタンドが相次いでいます。

 こうしたことから、全国のガソリンスタンド数はピーク時の約6万か所から半減しており、高速道路も例外ではありません。

 さらに、自動車の燃費性能の大幅な向上も原因です。

高速降りても料金そのまま 知られざる救済措置と運転手の対策とは

 ハイブリッド車やBEV(バッテリー式電気自動車)の普及、そしてガソリン車にも省エネ型製品の目標値が導入されたことで、個々の車両が消費するガソリンの量が大きく減少しました。こうした結果、ガソリン販売量が全体的に減少し、GSの経営に直接的な悪影響を与えています。

「次のSAで…」が命取り? 高速ガソリンスタンド“150km...の画像はこちら >>

燃料計の警告灯がつく前に給油を(画像:写真AC)

 一方、どうしても給油できない時の救済措置として、“路外給油サービス”という社会実験が行われているのをご存じでしょうか。

 これは、ETC車限定のサービス(ETC2.0でなくても可)ですが、指定されたインターチェンジ(IC)で一度高速を降り、指定のガソリンスタンドで給油して、1時間以内に再び戻れば“高速を降りずに走り続けたのと同じ料金”で済むという仕組みです。

 現在、NEXCO東日本エリアでは東北自動車道の十和田ICや磐越自動車道の新津IC、NEXCO中日本エリアでは東海北陸自動車道の福光ICなどで実施されています。

「高速を一旦降りたら料金が高くなる」と考えた結果、ガス欠を起こす前に、こうした制度があることを知っておくと命拾いするかもしれません。

 とはいえ、こうした救済措置が使える場所はごく一部に限られます。

 私たちドライバーができる最大の自衛策は、“燃料計をこまめにチェックして、適切に給油”することです。加えて、NEXCO東日本が提供する全国の高速道路情報を集約したWEBサイト「ドラぷら」で事前に経路上にあるSA・PAのガソリンスタンドをチェックしておくとよいでしょう。

「JAFロードサービス 主な出動理由TOP 2024年度 年間 四輪」によると、高速道路での第2位が「燃料切れ」と報告されています。

 法律では、高速道路を運転するときは、燃料や冷却水、エンジンオイルの量などを点検し、運転不能にならないよう措置を講じなければならない、と定められています。

 高速道路上のガス欠は「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」となり、普通車の場合で反則金9000円、違反点数2点となります。

 高速道路の走行の有無に限らず、給油はこまめに行いましょう。

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