2027年の搭載を目指す契約

 イギリスの防衛企業キネティックは、2026年1月6日、イギリス海軍の艦艇に史上初となるレーザー指向性エネルギー兵器を納入するための契約を獲得したと発表しました。

【動画】え、射程は結構長い!? これが、レーザーで無人機を撃墜する様子です。

 搭載される予定のレーザー兵器は「ドラゴンファイア(DragonFire)」と呼ばれるもので、主に対ドローン用の防衛兵器として、2027年からまず45型駆逐艦に搭載される予定です。この計画を主導するMBDAとイギリス国防省との間では、生産および納入を目的とした3億1600万ポンドの契約が締結されており、キネティックはMBDAから6700万ポンドの契約を受注し、ドラゴンファイアのレーザー光源の開発・製造・試験などを担当します。

 ドラゴンファイアは、既存の防空能力を補完・拡張する装備であり、現有の対空ミサイルでは迎撃コストが高く、ロックオンも困難な小型・中型ドローンなどを主な対象とするレーザー指向性エネルギー兵器です。

 これまで艦艇における近接防空手段は機関砲が中心でしたが、自爆ドローンが近距離で迎撃された場合、爆発や破片によって艦が損傷する恐れがあるほか、機関砲弾にも一定のコストがかかるという課題がありました。

 これに対し、ドラゴンファイアは1回あたりの照射コストが約10ポンドとされ、さらに1キロメートル離れた距離から1ポンド硬貨に命中させられるほどの高精度を誇るとされています。誘導用センサーや安定翼などの重要部位にレーザーを照射することで、目標を無力化することが可能です。従来のミサイルシステムが1発あたり数十万ポンドを要するのに比べ、極めて費用対効果の高い防空手段となります。また、亜音速の巡航ミサイルの迎撃にも対応するとされています。

 なお、ドラゴンファイアがどの速度の目標に対し、どの程度の照射時間で撃墜可能かといった詳細は公表されていませんが、イギリス国防省は、比較的高速で飛行するドローンに対しても照準・迎撃が可能であるとアピールしています。

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