人手はAIでは代替不可

 アメリカのジョン・フェラン海軍長官は2026年1月13日、海軍が計画する「ゴールデン・フリート(黄金艦隊)」を構築するためには、今後10年間で25万人の造船労働者を雇用する必要があるとの見解を示しました。

【え、これ25隻も作るの…!?】トランプ級戦艦が戦闘しているイメージ(画像)

 バージニア州アーリントンで行われた海軍協会の基調講演で、フェラン長官は今後5年以内に熟練の造船所労働者の4分の1が退職することを指摘し、「人材育成は戦略上の重心である」とコメントしました。

さらに、今後10年間で需要に対応するためには、造船会社およびサプライヤーが約25万人の熟練労働者を雇用する必要があることを明かしました。

 2025年末、トランプ政権は新たな海軍構想である「ゴールデン・フリート」の計画を公表しました。これにより、コンステレーション級フリゲート計画は事実上中止され、哨戒フリゲートFF(X)の建造が進められるほか、次期大型水上戦闘艦として20~25隻規模のトランプ級ミサイル戦艦(BBG)が建造される計画が明らかとなり、大規模な艦艇建造計画が長期にわたって実施される予定です。

 フェラン長官は、AIの発展によりリスクやスケジュールに関する問題は可視化されるようになったものの、根本的な解決はやはり人がいなければ不可能であるとして、「システムが艦艇を造るのではない。人が造るのだ」と強調しました。

 ただ、AIや自動化が重要な役割を果たすことにも触れ、「AIや自動化が労働力に取って代わることはない。それらは労働力を強化する。そして多くの点で、技能の高度化を促す。先進的な製造技術は生産量を増加させ、初回からの品質を向上させ、熟練労働者の生産性を高める」と言及。AIの導入は人手不足を補い、限られた人材を最大限活用するために不可欠であると訴えました。

 そのため、造船所、サプライヤー、海軍のプログラムオフィスを中央指揮センターで結ぶ「造船オペレーティング・システム(ShipOS)」を導入予定であることも明かしました。フェラン長官は「計画の実行は、私たちのビジネスのやり方を変えることから始まる。

この規模の組織改革で最も難しいのは、成功をもたらしてきた考え方を手放し、『何が重要か』『何が可能か』に対する信念を変えることである」と話しました。

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