当初の予定よりもかなり遅れた練習機

 アメリカ空軍の航空教育訓練司令部は2026年1月12日、次世代練習機であるT-7A「レッドホーク」の到着式典を、テキサス州サンアントニオ・ランドルフ統合基地で実施したと発表しました。

【画像】練習機以外の運用も可能! これが、飛行するT-7A「レッドホーク」です

 T-7Aは、ボーイングとサーブが共同開発した最新鋭の練習機で、60年以上にわたりジェット練習機として運用されてきた老朽化したT-38タロンに代わる機体として採用されました。

 今回の引き渡し式典により、第12飛行訓練航空団に所属する第99飛行訓練飛行隊が、空軍で最初にT-7Aを受領した部隊となりました。

 同機は、高度なデジタル・エンジニアリング、最新のアビオニクス、そして将来の訓練要件や新興技術とともに進化可能なオープンシステム・アーキテクチャを採用しているのが特徴です。次世代戦闘機の特性を忠実に再現した訓練環境を提供できる練習機であり、ステルス性能を有する高価な戦闘機の使用を抑えつつ、効果的な訓練を実施することが可能です。

 また、練習機としての用途のほかに、地上攻撃を想定した軽攻撃機としての転用も視野に入れられており、拡張性の高い機体として海外市場への売り込みも行われています。

 ただし、同機に関しては、当初は2023年の初期運用開始を予定していましたが、射出座席の試験において、パイロットが装着するヘルメットのバイザーが飛散する可能性や、脳しんとうのリスクが判明しました。さらに、フライト制御ソフトウェアや地上訓練システムなど、各種ソフトウェアの完成度が当初想定していた水準に達せず、開発は数年単位で遅延しました。

 加えて、ボーイングは同機について物価変動を考慮しない固定価格契約を結んでいましたが、2021年以降に加速した世界的な物価高の影響により、同社は数十億ドル規模の損失を被ったとされています。

 もっとも、F-22やF-35といった第5世代戦闘機、さらに開発中のF-47に代表される第6世代戦闘機が増加するにつれ、それらに対応した先進的な練習機の運用は不可欠となります。今後、第99飛行訓練飛行隊は初期運用を主導し、訓練構想の洗練を進めるとともに、空軍全体へのT-7A配備に向けた基盤を整えていくことになります。

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