最近、公衆電話をすっかり見かけなくなりました。ユニバーサルサービスとして設置が義務付けられている第1種公衆電話の設置基準も2022年に変更され、10.9万台から3万台まで削減予定です。
オフィスビルや商業施設など利用が見込まれる場所に設置する第2種公衆電話はさらに急激に減少しており、ピークの80万台から現在は3万台程度に縮小しています。公衆電話は今後、最低限の通信網を維持しつつ、避難所に設置する災害用設備として生き残っていくようです。
公衆電話はかつて新幹線の車内にも設置されていました。といっても完全廃止されたのは2021年6月なので、使った経験はないまでも、見かけたことがある人は多いでしょう。鉄道における「列車電話」の歴史とはどのようなものだったのでしょうか。
19世紀半ばに実用化された鉄道と通信(電信)は、近代化と産業化の立役者です。電信ははじめ、鉄道会社の協力で線路に沿って設置されました。鉄道もすぐに電信を列車運行に活用するようになり、独自の通信網を構築していきます。
このため明治期の日本の象徴「逓信省」は、鉄道と電信・電話の両方を管轄しており、1900(明治33)年に誕生した日本初の公衆電話は東京の上野駅と新橋駅に設置されました。駅は人、モノ、そして情報が交差する拠点だったのです。
しかし列車内からの通信は容易ではありません。
日本では1925(大正14)年に鉄道省が列車電話の試験を行った記録がありますが、実用化は近鉄が1957(昭和32)年に特急専用車で、国鉄では1960(昭和35)年に東海道本線特急「こだま」「つばめ」でそれぞれ開始したのが最初です。業務用を基本としながらも、一般回線に接続が可能で、近鉄は大阪市・名古屋市、国鉄は東京都・横浜市・名古屋市・京都市と通話ができました。
国鉄の場合、列車内から電話をかけたいときはビュッフェの電話掛に申し出ます。電話掛は列車電話で交換台の交換手に電話番号を伝え、相手を呼び出します。料金は地上との距離に応じて100~400円で、その場で係員に支払います。現在の貨幣価値で1000~4000円という高級サービスでした。
ビュッフェが忙しいときは電話掛がいなかったり、対応が悪かったりという問題もあったようで、しかも電話室はビュッフェ店員のロッカースペースを転用したため、店員からも評判が悪かったそうです。
2020年に「歴史的役割」終える地上から列車電話の呼び出しは、東京や大阪の自動交換加入電話の場合、「010」で始まる列車台呼出番号で直接ダイヤルし、列車番号と乗客の氏名を伝えると列車の電話掛につながります。電話掛は車内放送で乗客を呼び出し、電話室に来てもらいます。
列車電話は1964(昭和39)年に開業した東海道新幹線にも設置され、翌年5月から業務用、6月から旅客向けサービスを開始しました。在来線用をベースとしながらも最新技術を導入して機能を拡充し、トンネル内でも通話可能になりました。
1973(昭和48)年10月1日には電話掛の取扱いと料金収受を省力化しつつ電話機を増設するため、乗客自身が100円を投入して使用する公衆用電話機が設置されました。ただこちらも交換台経由で相手を呼び出す仕組みです。
現在的な電話になったのは1982(昭和57)年に開業した東北・上越新幹線以降です。こちらは線路に沿って敷設した「漏洩同軸ケーブル」と通信する方式で、プッシュボタンによる自動即時式となり、通話相手先も日本全国に拡大されました。1989(平成元)年には東海道・山陽新幹線も漏洩同軸ケーブル化され、利便性が向上。バブル期のサラリーマンを支えました。
同時期には阪急6300系やJR東海311系電車など普通列車への設置例も見られます。また、在来線特急を中心に自動車電話技術を応用した公衆電話の設置も進みましたが、同じ技術から発展した携帯電話の普及が進むと状況は変わってきます。
携帯電話の通信エリアが狭く、通話品質が悪かった時代は公衆電話の存在意義がありましたが、通信技術が飛躍的に進歩し、2020年に新幹線の全トンネルがエリア化されたことで公衆電話は歴史的役割を終えました。
電信と電話が鉄道運行を変えたように、現在は携帯電話通信網を活用したIoT技術が鉄道のメンテナンス体制を変革しています。鉄道と電気通信は今後も影響し合い、変化し続けていくことでしょう。

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