飛行試験は2028年頃に実施する計画

 かつてマッハ2で大西洋の横断飛行などを行っていた超音速旅客機「コンコルド」が退役してから20年以上。再び世界が超音速旅客機の実現に動き出すなか、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が最新のコンセプトCGを作成し、このたび公開しました。

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 超音速飛行の最大の壁、それは機体が音速を超える際に発生する衝撃波「ソニックブーム」です。コンコルドはこの「爆音」により、陸上での超音速飛行が禁止されるという致命的な制約を抱えていました。

 JAXAが目指すのは、この騒音を「半分以下」に抑える技術です。今回公開されたコンセプトCGは、NASAなどの資金で行われた概念設計に、JAXAのロバスト低ソニックブーム設計技術を適用したもので、小型の超音速旅客機としてデザインされています。

 最新の設計思想では、機体の先端や翼の形状を最適化することで、衝撃波の重なりを抑制。これまで重視されてきた「飛行経路の真下」だけでなく、機体側方や加速時なども含めソニックブームの騒音まで、広範囲にわたって静穏化を実現します。

 公開されたCGを見ると、細長く尖った機首と、複雑な曲線を描く翼が目を引きます。これは、空気の乱れをコントロールし、地上に届く音をドスンという「爆発音」から、パフッという「鈍い音」へと変えるための形状です。

 JAXAでは「Re-BooTプロジェクト(ロバスト低ブーム設計技術実証)」と呼んでおり、飛行実証と、静かな超音速旅客機の実現に向けた設計技術の研究開発を進めています。

 飛行試験は、2028年頃に実施する計画で、獲得した成果は超音速機の国際的な騒音基準作りに役立てるとJAXAでは明言しています。

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