2025年1月7日付のロイターなど複数のメディアは、サウジアラビアがパキスタンとの間で、パキスタンと中国が共同開発したJF-17「サンダー」戦闘機の導入交渉を行っていると報じました。いわゆる西側諸国製の戦闘機を揃えるサウジアラビアが、なぜJF-17を欲しがっているのでしょうか。
【いらなくない?】これが「中パ共同開発の戦闘機」を欲する国の戦闘機です(写真)
JF-17のルーツをたどると、旧ソ連のMiG-21に行き着きます。1961(昭和36)年、中国はソ連からMiG-21のライセンス生産権を取得しましたが、その後の中ソ関係悪化でソ連は技術支援を打ち切り。このため中国は残された図面などを元にMiG-21のコピーに取り組み、1960年代後半にJ-7(殲撃7型)として就役にこぎつけました。
その後、中国は1980年代に入って、小型のレーダーしか搭載できないというMiG-21/J-7の弱点を解消するため、J-7の空気取り入れ口を機首から胴体側面に移して、機首部に本格的なレーダーと火器管制装置を備える「スーパーF7」(超7)の開発に乗り出します。
当時の中国はレーダーや火器管制装置の技術で欧米やソ連に遅れを取っていたため、スーパーF7の開発は、F-14戦闘機などを開発したアメリカのグラマン社(現ノースロップ・グラマン)などから協力を受けて進められることとなっていました。しかし1989(平成元)年に発生した第二次天安門事件で、アメリカが中国に対する政策を大幅に見直したため、グラマン社をはじめとする欧米企業は技術協力を打ち切り、スーパーF7の開発は頓挫を余儀なくされてしまいました。
一旦頓挫したスーパーF7ですが、中国の友好国であるパキスタンからの要望で開発が再開されることとなります。スーパーF7の基本設計を流用し、パキスタンとの共同開発という形で誕生したのがJF-17というわけです。就役当初(初飛行は2003年)のJF-17は、MiG-21やJ-7と同様、高い運動性能がウリの戦闘機でした。
2010年代に就役したブロック2以降のJF-17は、操縦系統がF-15J/DJなどと同じ機械式からデジタルフライ・バイ・ワイヤへ、コックピットも3基の多機能ディスプレイによるグラスコクピットとなるなど、もはやMiG-21/J-7とは別物と言ってよいほどの戦闘機に進化しています。
またブロック1仕様機の中途生産分から高性能レーダーの搭載や照準ポッドの運用能力の追加などにより、レーダー誘導型の中射程空対空ミサイルや精密誘導爆弾などの運用能力も備えています。価格も1機20~30億円程度と言われており、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は中小国にとってコストパフォーマンスの良い戦闘機だと考えています。
しかし、サウジアラビアがJF-17を必要としているようには思えないのです。
「その戦闘機、必要ですか?」すでに群を抜くラインアップのサウジサウジアラビア空軍は2025年1月現在、ユーロファイター・タイフーンを71機、イギリス、ドイツ、イタリアが共同開発したパナヴィア・トーネードを81機、F-15シリーズを211機保有しています。合計364機という戦闘機の機数は、中東では群を抜いていますし、トーネードと1980~90年代に導入したF-15は老朽化が進んでいますが、その一方でアメリカ空軍が導入を開始したF-15EXの準同型機であるF-15SAの導入も進めています。
現在サウジアラビア空軍が保有している戦闘機はすべて自由主義陣営諸国で開発されているうえ、今後はF-35の導入や、日本、イギリス、イタリアの新戦闘機開発計画「GCAP」への参加も目論んでいます。そんなサウジアラビアが、兵站面の負担が増えるだけでなく、今後の戦闘機導入計画にも悪影響を与えかねない中国との共同開発機であるJF-17を、喫緊に必要としているとは考えにくいのです。
真の狙いは「一石三鳥」か2025年1月10日付のディフェンスブログなど複数のメディアは、サウジアラビアがいったんJF-17をパキスタンから購入した後、アフリカのスーダンに供与すると報じています。
パキスタンはF-16戦闘機も運用している(画像:パキスタン政府)
スーダンは中国と密接な関係を築いており、スーダンの主要産業である原油の掘削支援や防衛装備品の供給を行ってきました。しかし中国は終わりの見えないスーダン内戦の激化を忌避して、スーダンから分離独立した、スーダンより石油の埋蔵量の多い南スーダンの開発援助にシフトしており、スーダンは強力な後ろ盾を失いつつあります。
前にも述べたようにサウジアラビア空軍の戦闘機戦力は自由主義陣営諸国で開発された航空機で固められていますが、「ミサイル技術管理レジーム」の制約で欧米から購入できない兵装の搭載が可能なUAS(無人航空機システム)に関しては、中国から「翼龍」を購入するなど、防衛装備の面でも良好な関係を築いています。
サウジアラビアのJF-17の購入は、パキスタンのサウジアラビアに対する巨額の負債の一部解消を目的に行われるという見方もあります。核兵器も保有しているイスラム教国の雄であるパキスタンの負債を解消し、JF-17の共同開発国である中国ともども関係を深め、さらには中国の撤退によって強力な後ろ盾を失いつつあるスーダンでの影響力を高めたいという、「一石三鳥」を狙ったものなのかもしれません。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)
![[コロンブス] キレイな状態をキープ 長時間撥水 アメダス 防水・防汚スプレー420mL](https://m.media-amazon.com/images/I/31RInZEF7ZL._SL500_.jpg)







![名探偵コナン 106 絵コンテカードセット付き特装版 ([特装版コミック])](https://m.media-amazon.com/images/I/01MKUOLsA5L._SL500_.gif)