新幹線開通とともに誕生した広島の快速

 山陽本線の広島地区を走る快速列車は、設定と廃止を繰り返しています。今回はこの快速「シティライナー」に乗ってきました。

【快適!】快速「シティライナー」の車内と車窓を見る(写真)

 快速列車が設定されたのは、1975(昭和50)年のこと。山陽新幹線の博多開通と入れ替わる形で山陽本線を走る特急・急行列車が多数廃止されました。この時、岡山~広島~下関間に快速が設定されたのです。長距離運転にも対応する153系急行形電車が使用されました。

 1982(昭和57)年には転換式クロスシートの115系3000番台を新製投入し、広島~岩国間を15分毎の運行に。「増発は労働量が増える」として労組は反発しましたが、国鉄改革の一環として断行されました。

 結果、広島地区の「ひろしまシティ電車」は1年間の利用客数が6%(日中は10%)増加。これを受け名古屋・札幌・仙台・新潟・長野・静岡・北陸・岡山・高松・福岡などでも同様の施策が行われました。

 しかし、広島地区の快速列車は1985(昭和60)年にいったん全廃されます。その後、1994(平成6)年に広島~福山間ノンストップの「スーパーラビット」が登場し、1996(平成8)年には呉線で快速運転が復活。広島~岩国間は1998(平成10)年の平日朝夕の快速復活を経て、2001(平成13)年には快速「山陽シティライナー」の日中運行が始まりました。

 ところが2002(平成14)年に「スーパーラビット」は廃止され、2003(平成15)年にはラッシュ時の快速の愛称が「通勤ライナー」に変更されるなど、運行形態は目まぐるしく変わります。

 2010(平成22)年に快速「シティライナー」は再び全廃。2016(平成28)年には土休日限定で復活するものの、2018(平成30)年に運行休止。2020年に再開しますが、2021年には日中の運行が再度廃止されます。

 2024年には平日朝の上り快速「通勤ライナー」と、土休日夕方の上り「シティライナー」の一部に有料座席「うれしート」が設置され、2025年からは土休日の「シティライナー」増発と「うれしート」拡大が行われ、現在に至ります。

乗って確かめた快速「シティライナー」の利用実態

 広島の快速はどのように利用されているのでしょうか。2025年11月の日曜、山陽本線下り広島11時24分発・岩国行きの快速「シティライナー」を利用しました。

 列車は転換式クロスシートの227系電車6両編成で、外部に「シティライナー」の表示はありません。広島出発時は各車両20人程度の乗車でした。

 11時29分着の横川では、ホームに40人ほどが待っていましたが、列車に乗ったのはそのうちの半数ほど。通過駅に需要が多いことを示しています。

 11時37分着の五日市ではほとんど乗降がありません。大きな動きがあったのは11時47分着の宮島口でした。

大量の下車があり車内はガラガラになります。つまり快速の需要は、主に宮島への観光輸送であり、そのため平日は設定されていないわけです。

 11時52分着の大野浦からは各駅停車になりますが、以降の駅での乗降は少なく、12時8分着の終点・岩国では40人ほどが列車を降りていきました。

 乗車した感想として、快速設定の難しさを実感しました。11時24分発の後は、16時24分まで下り快速はありません。また、広島~大野浦間で7駅通過しますが、同区間の普通列車より5分速いだけで、あまり速達感がありません。

 岩国は新幹線の新岩国駅がかなり不便なため、対広島の速達需要自体はありそうにも思えます。目まぐるしく変わる広島地区の「快速」に今後も注目していきたいです。

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