JAL(日本航空)で2025年11月まで運用されていたボーイング777-300ER「JA732J」。2025年2月1日現在、この機体はJALの塗装が剥がされた真っ白な状態となっており、次の使用顧客へ機体を引き渡すための「退役整備」が進められています。
【写真】えっ…これが「JALから退役した旅客機」驚愕の機内です
「JA732J」は2004年にJALへ納入され、おもに長距離国際線を担当してきた機体です。また、退役までの間、同社が加盟する航空連合「ワンワールド」のロゴが入った特別塗装機としても運航されていました。旅客便としての最終フライトは、20日に羽田へ到着したJL52便(シドニー発羽田行き)です。JALによると、これまでの総飛行時間は約8万9900時間、飛行回数に相当する「総飛行サイクル」は1万1358回だったといいます。
JALの777-300ERは全長73.9m、全幅64.8mの大型機で、最大航続距離は約1万4000kmにおよびます。搭載されているゼネラル・エレクトリック社製「GE90-115B」エンジンは、「世界で最も強力なターボファンエンジン」としてギネス記録に認定されています。なお、JALの777-300ERは後継機である「エアバスA350-1000」の導入にともない、順次退役が進められています。
そのような「JA732J」ですが、取材時点ではファーストクラスおよびビジネスクラスの一部で機内モニターなどが取り外されており、プレミアムエコノミークラスもシートカバーが外された状態でした。エコノミークラスについては、各ブロック(コンパートメント)の最前方および最後方の一部座席を除き、多くの座席が撤去され、機内はがらんとした印象です。
整備のプロに聞く「退役整備」の裏側退役整備を担当するJALエンジニアリング羽田航空機整備センターの和田雅洋氏によると、「退役整備は買い手が決まっているため、そのリクエストによって作業内容が大きく変わります」といいます。たとえば、「エンジンはそのままで、内視鏡を使った内部の健全性確認のみを行う」というケースもあれば、大規模な部品交換を伴う場合もあるとのことです。
報道陣に退役整備について説明するALエンジニアリング羽田航空機整備センターの和田雅洋氏(乗りものニュース編集部撮影)。
JA732Jでは、大掛かりな作業として、3つあるランディングギア(着陸装置)すべてと、左右のエンジンの交換を実施したとしています。
後継機の導入にともない退役が進むJALの777-300ERですが、和田氏によると、JALの国際線仕様機のなかでは少数派となる「ファーストクラス」を備えた4クラス構成であることから、客室仕様が非常に凝っており、専用設計の部品も多いといいます。そのため、客室関連の整備には多くの時間を要するのが特徴のひとつだそうです。
「長い時間をかけてしっかりと整備をして送り出すこと。それは私たちの品質、JALエンジニアリングの品質と信頼を維持するためであり、私たち整備士の誇りでもあります。多くの方々のさまざまな思いを乗せて、20数年間、無事に目的地まで届け続けた機体だと思うと、本当に感慨深いものがあります」(和田氏)
なお、JA732Jは今後、3月初旬にも売却先へ回送運航される予定としています。

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