ANA(全日空)は「グループ中期経営戦略」において、同グループが2029年度以降をめどに、成田空港からの北米、アジア路線を増強し、成田の事業規模を1.7倍に増加する方針を示しました。これは同空港において滑走路の増備などの再拡張が行われ、発着回数が大幅に増えることにともなってのものです。
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しかし、1978年から2010年まで成田空港は国際線を、羽田空港はほとんど国内線のみが運航されているという明確な区分けがありました。それが一転し、2025年現在は、羽田空港は国内・国際両面で「日本の空の玄関」といえる存在に。ANAが発表した中期経営計画は、新たな2空港の使い方を、新たなものにシフトさせると見ることもできるでしょう。
さて、現状の羽田・成田の体制は、どのように生まれたのでしょうか。
1978年までの羽田空港は、国際・国内両方の路線便が発着していました。それ以前、経済成長を背景に航空需要が増え続けており、当時のキャパシティでは対応しきれなくなったため、もうひとつ首都圏に空港を作ることとなります。これが現在の成田空港で、そこからは長年「国内線は羽田、国際線は成田」といった棲み分けがされていました。
この状況を大きく変えたのが、2001年に建設をスタートし2010年に完成した、羽田空港のD滑走路です。滑走路を増やすことで便数を増やせるようになったことから、羽田空港には国際線の定期便が開設され、同年に24時間利用ができる国際線ターミナル(現在の第3ターミナル)も作られました。
なぜ「成田は国際、羽田は国内ルール」崩れたのか成田・羽田の使い方が大きく変わったのは、アジア地域の他空港が充実した国際線ネットワークを構築しつつあったためとされています。韓国の仁川国際空港やシンガポールのチャンギ国際空港などがこれで、乗り継ぎ需要を確実に取り込んでいたほか、周辺住民の反対などから成田空港ではできない24時間運用も可能でした。そのため、2空港で国際線需要を逃さないようにする狙いがあったと見られます。
ANAの「グループ中期経営計画」の説明資料(画像:ANA)。
その一方で「ほぼ国際専用空港」だった成田空港はその後、違う役割を担うことになりました。新規就航のハードルが羽田より低いことなどから、新たな需要の取り込みを実施。国内線でもLCC便が多く就航しているほか、国際線でもインバウンド(訪日旅行者)向けのLCC(格安航空会社)によるレジャー路線を担当することが多くなっています。
さらに近年高い需要を持つのが、成田空港を経由した北米・アジア間の乗り継ぎ便です。ANAグループが掲げている中期経営計画もこれを反映したもので、増強後の路線のダイヤ構造において、夕方便の山を積み上げることで成田空港を経由した乗り継ぎ利便性を強化する方針が掲げられています。

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