利益99%減の衝撃! 名門ポルシェを襲った複合的要因

 ドイツのスポーツカーの象徴であり、高級ブランドとして知られるポルシェにいま、大きな逆風が吹いています。

【現存唯一!】神奈川県警で使われていた「ポルシェパトカー」写真で見る

 同社が発表した2025年1~9月期のグループ連結決算は、前年同期の40億3500万ユーロから4000万ユーロへと、約99%も減少しました。

さらに、直近の第3四半期(7~9月)単体の連結決算は、約9億6700万ユーロの赤字になったとしています。

 日本円換算で約1700億円(当時レートによる概算)というこの赤字は、好調と見られていたブランドにとって極めて深刻な事態といえます。

 不振の引き金のひとつとなったのが、これまで好調を支えてきた高級ラグジュアリーセグメントの販売不振です。販売の落ち込みが想定より深刻に進み、重要市場である中国での販売が滞っています。具体的に、2025年の中国における販売台数は4万1938台にとどまりました。

 これは最盛期だった2021年の9万5671台と比較すると、約56%という大幅な落ち込みです。そして、車両在庫の評価損など費用が重なりました。

 約27億ユーロの在庫評価損が2025年1~9月期に計上されたといい、これが業績を大きく押し下げる要因となっています。

聖域「911」は“走り”で進化する! 驚きの最新ハイブリッド技術

 電動化戦略についても、ポルシェは柔軟な姿勢を見せています。

ポルシェが「利益99%減」の緊急事態! 1700億円赤字 起...の画像はこちら >>

T-ハイブリッドを採用したポルシェ911 ターボS(画像:ポルシェAG)

 かつて2030年に新車販売の80%以上を純EVにするといった目標を掲げていましたが、現在は目標を下方修正し、市場の動向を見据えた柔軟な方針へと転換を図っています。

 実際に、内燃機関(ICE)やハイブリッドまで含めたパワートレインの多様化に関連する費用などが、今回の決算に影響を与えました。

 2025年からCEOを務めるオリバー・ブルーメ氏は、内燃エンジンとハイブリッドの両方をカバーする柔軟な戦略が重要であると述べています。

 そんななか、ブランドの象徴といえる「911」は、高性能パフォーマンスハイブリッドである「T-ハイブリッド」を導入し、電動化戦略のなかで独自路線を突き進んでいます。

 eターボに組み込まれた電気モーター(最大11kW/15PS)が、排気ガスの流れを瞬時に高めることで、極めて鋭いレスポンスを実現します。

 ハイブリッド化によるシステム全体の重量増は、先代モデル比で僅か50kgに抑えられています。これにより「911」が持つ生粋のスポーツカーとしてのキャラクターを維持しながら、最新技術でパフォーマンスを向上させているのです。

 一時的な赤字という試練はありましたが、同社は市場の変化に素早く対応し柔軟に方針を変えようとしています。

 不振を乗り越え再び走り出すことに、期待が寄せられているといえるでしょう。

編集部おすすめ