「黄色の矢印」は“路面電車”専用

 日本には宇都宮や富山、広島などをはじめとして、路面電車が市民の足として親しまれている都市が数多くあります。なかでも、2023年8月26日に開業した「芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)」は、国内で75年ぶりとなる全線新設の路面電車として大きな注目を集めました。

【馴染みない?】これが路面電車「専用」の信号機です(画像)

 開業から時間が経過し、LRTはすっかり日常の風景となりましたが、改めて注意したいのが路面電車専用の信号機による交通ルールです。クルマを運転する際、誤認すると重大な事故や違反に繋がる恐れがあります。

 交差点でよく見かける「青色の矢印信号」は、クルマがその方向に進めることを意味します。しかし、路面電車が走る区間で見られる「黄色の矢印信号」は、意味が全く異なります。

 一般的に見られる青色の矢印信号は、「車両は、黄色や赤色の灯火であっても矢印の方向に進行できる」という意味で、交通量の多い交差点では全国的に設置されています(道路交通法施行令第2条)。これに対して黄色の矢印信号は、「路面電車は、黄色や赤色の灯火であっても矢印の方向に進行できる」という規定に基づいており、路面電車専用の信号として運用されています。

 したがって、たとえば信号機が「赤+黄色矢印」を表示している場合、クルマはどの方向へも進行できず、停止線を越えて進むと信号無視になります。栃木県警は、LRTの信号表示や交差点での交通ルールについて再確認し、正しい通行による事故防止に努めるよう呼び掛けています。

 なお、LRT沿線の信号機は黄色の矢印信号が設置されている場所では「電車用」という標識が付けられており、路面電車専用であることがわかるようになっています。

 また、路面電車の走る街での禁止行為として、軌道(路面電車の線路)内での停車や走行が挙げられます。軌道内は右左折や横断のための一時的な通過のみが認められており、例えば右折待ちをする場合は軌道手前で停車する必要があります。

 黄色の矢印信号は関東ではこれまで東京都内の都電荒川線沿線で見られるものに限られていましたが、芳賀・宇都宮LRTの開業によって栃木県内でも一般道に設置されるようになり、路面電車と自動車が共存する交通環境としての対応が進んでいます。

 他の地域においても、2024年11月中旬からは、豊橋鉄道の路面電車も行き交う愛知県豊橋市内の7交差点にて、信号機に「黄色の矢印」が追加されています。

 この交差点では、右折車と背後から来た路面電車との衝突事故がたびたび発生していたため、矢印信号でクルマの流れと路面電車を完全に分離し、事故防止を図っています。

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