名古屋から伊勢・鳥羽方面の鉄道輸送は、長年にわたり近鉄が担ってきました。国鉄も線路はつながっていましたが、所要時間と運行本数の両方で近鉄に分があり、1973(昭和48)年に短絡ルートの伊勢線(現・伊勢鉄道)が開通しても、近鉄一強は変わりませんでした。
しかしJR発足後の1990(平成2)年、JR東海は快速「みえ」(名古屋~伊勢市・鳥羽)で反撃を開始します。1991(平成3)年には従来のキハ58・65系気動車の座席をリクライニングシートに交換するとともに、最高110km/h運転も可能とし、名古屋~松阪間を66分に短縮しました。
そして1993(平成5)年に「みえ」用に投入されたのが、キハ75形です。この気動車は、当時の特急形キハ85系に匹敵する最高120km/hの性能を有し、名古屋~松阪間を最速61分で結びました。停車時間を含めた平均速度である表定速度は84km/hに達し、国内最速の気動車快速でした。
座席は転換式クロスシート(一部固定クロスシート)。気動車のため、車体長が当時の311系電車より1.3m長いことをいかして、座席間隔を311系の910mmから、940mmに拡大(0・100番台のみ)しました。国鉄時代の特急普通車の座席間隔が910mmですから、料金不要車両としては異例の豪華さでした。
名古屋~鳥羽間という長距離を走るため、車いす対応トイレを設置。0・200番台には(2007年まで)列車内公衆電話もありました。また、連結器は従来の密着自動連結器ではなく、電車のような電気連結器付き密着連結器が採用されました。
改造車も登場し、幅広いエリアで活躍キハ75形は、急行「かすが」(名古屋~奈良)の車両置き換えと快速「みえ」の増発、武豊線の増発のために、1999(平成11)年に増備されました。
最大の特徴は、前照灯が前頭部の貫通扉上部に追加したことと、転換式クロスシートが313系と同じにしたことです。313系の座席間隔は875mmですから、キハ75形は同時期の電車よりハイグレードな仕様でした。400・500番台はワンマン運転に対応し、運賃表示器や運賃箱が設置されました。
その後、高山本線にも投入されることになり、耐寒対策を施した200・300番台は1200・1300番台(ワンマン対応は3200・3300番台)に、400・500番台は3400・3500番台となりました。
1999(平成11)年には、急行「かすが」にも投入されます。JRの昼行急行としては最後の座席指定車両が連結され、多客期は4両編成でした。急行として片側3扉の中間扉を締切とし、座席のヘッドカバーは1席ごとに布製でした(他のキハ75形は2席一体型のビニール製)。しかし利用は減少し、「かすが」は2006(平成18)年に廃止されました。
なお、2025年に関西本線利用促進三重県会議の主催で、名古屋~伊賀上野間をキハ75形が走り、「かすが」の復活と話題になっています。
その快適性と高速性で、JR東海管内はもちろん、奈良や紀伊勝浦まで足を延ばしたキハ75形ですが、2028年度から2029年度に後継となるハイブリッド車のHC35形に置き換わることがJR東海から発表されています。
端部固定の転換式クロスシートだったキハ75形に対し、HC35形は「みえ」用が転換クロスシートとロングシートを1両ずつ、高山本線・大多線用は2両ともロングシートとなるようです。
私鉄特急と伍して120km/hで走るキハ75形の雄姿が見られるのもあとわずかとなりました。今も近鉄が有利ですが、「みえ」は一定の存在感を示すようになりました。最後の日まで事故などなく走り抜けてほしいものです。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
