静かな車内にひたすら響くジョイント音、車窓を流れる踏切の赤いライトと警報器の音……。すっかり過去のものとなりつつある客車夜行列車の旅ですが、その旅情を味わえるツアー「大井川鐵道 夜行急行」が、2026年2月28日から翌3月1日にかけて実施されました。
【旅情たっぷり】大井川鐵道の「夜汽車旅」を追体験する(写真)
このツアーは、12系客車自体もさることながら、細部にまでこだわりを感じられます。例えば、受付で渡されるきっぷは昔ながらの硬券に座席番号が手書きで記載されたもの。ホームへ入場する際、懐かしいハサミによる入鋏(にゅうきょう)が行われます。「パチン」という音が響き渡る改札口や、切り込みが入った硬券は昭和の旅への誘い。駅員との何気ない会話も旅への期待を高まらせてくれます。
乗車した2月28日の編成は、家山方面からE34+12系4両+E32という組み合わせ。2025年3月にブルートレイン風の塗装に変わった電気機関車のE34がまず先頭を務めるのです。ヘッドマークを掲げてたたずむ様子は、往年の夜行列車そのもの。参加者も思い思いにカメラを向ける光景が印象的です。
ボックス席に座ることしばし、20時15分に新金谷駅(静岡県島田市)を静かに発車。モーターを搭載しない客車なので、レールのジョイント音だけが響き渡ります。
始発駅を出たばかりで、乗客たちもまだ会話や雰囲気を楽しんでいます。個室の旅もいいけれど、車内の雰囲気がダイレクトに伝わるのも久し振りの感覚。もちろん、車掌をはじめ大井川鐵道のスタッフが車内を巡回してくれるので安心して過ごせます。
途中の家山駅(静岡県島田市)では、列車をライトアップしての撮影と夜食として夜鳴きそばタイムが設けられています。駅舎内で振る舞われるおでんに、列車の撮影で冷えた体がじんわり温まります。テーブルに置かれているだし粉をかけて「しぞーかおでん」を味わえるとのこと、ご当地グルメを堪能できるのもうれしい配慮です。
深夜の駅で、夜行列車同士が顔合わせところで、夜行急行に乗車して目に止まったものがあります。テーブルの下に設置された栓抜きです。レトロなイラストに「ビンを上へこじる」という表記。こんなアイテムが残っているんだなぁと眺めていると、車内販売でビンの飲料も販売しているとのこと。
慣れない手つきで栓を当ててみると、なるほどテーブルの下面とうまくはまり固定されます。列車の揺れに気を付けながらゆっくりと「こじる」と……シュッという音とともに栓が開きました。テコの原理で、瓶の下の方を持って「こじる」と少ない力で開けられそうです。簡単な作りながら、知恵が詰まっています。
12系客車で開栓した飲料を堪能していると、おやすみ放送が流れてきました。この時のチャイムは「ブラームスの子守唄」。消灯前に子守唄が流れるとは、なんとも粋な計らいです。
消灯後、まどろみの中で流れる街の明かり、遠くから聞こえる汽笛、停車中の静かな車内……。客車の夜行列車を、自分自身で「体験」できるのが何よりも貴重です。
深夜の金谷駅(静岡県島田市)では、JR東海道本線を走る上り東京行き寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」との離合も。夜行列車同士の顔合わせは静かな熱気に包まれました。
東の空が少しずつ明くなると、移り行く景色は普段と違うよう。車内で迎える朝はやはり特別なもの。昨夜新金谷駅に集まった見ず知らずの旅人たちは、顔や名前も知らないけれど「夜行列車で過ごした」という一つの共感に包まれながら、朝日に照らされる街へ旅立ちました。
大井川鐵道によると、今後の夜行列車は現時点では未定であるものの、企画は検討していきたいとのこと。客車が多く在籍する大井川鐵道だからこその旅を期待してしまいます。

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