ANA(全日空)が2026年、国際線ビジネスクラス「THE Room FX」を主軸とした新たな国際線仕様機をデビューさせます。この新仕様機では、プレミアムエコノミーおよびエコノミークラスにも新しい座席が搭載される予定で、その原寸大模型(モックアップ)が国内で初めて公開されました。
【写真】えっ…これがANAの「革命的エコノミー」驚愕の全貌です
新しいエコノミークラスは、今後同社の主力機のひとつとなるボーイング787-9の国際線仕様機に装備される予定です。設計を担当したのはドイツの座席メーカー、レカロ社で、大きな特長はスペースの広さとリクライニング角度にあります。
新たなエコノミークラスのシートピッチ(座席の前後間隔)は33~34インチ(約84~86cm)です。膝まわりの設計を見直すことで、同社従来比で約1インチ(約2.5cm)スペースを拡大したといいます。また、リクライニング量も従来のシートより2インチ(約5cm)拡大され、約6インチ(約15cm)となりました。ANAは「エコノミークラスシートとしては世界トップクラスのピッチとリクライニング量」とアピールしています。
座席設備としては、電源コンセントに加え、「Type-A」と「Type-C」のUSBポートを装備。個人用モニターは13.3インチのタッチ式ディスプレイが採用されました。これにより、従来装備されていたコントローラーを廃止することが可能となり、機材全体の軽量化にもつながっているといいます。
身長178cm、体重63kgの筆者が実際に座り、シートピッチを拳で測ってみると、前席と膝のあいだに拳が3つ入るほどの余裕がありました。
また、リクライニング角度が大きい点も特徴ですが、仮に前席の乗客が最大まで座席を倒した場合でも、もともとの膝まわりスペースが広いため、他のエコノミークラスで感じがちな圧迫感はかなり軽減されています。この状態でも、筆者の体型であれば足を組んで座る余裕がありました。
座面は従来より柔らかめのクッションとなっており、体へのフィット感が向上している印象です。長距離フライトで起こりやすい臀部の痛みも軽減されそうな感触でした。また背もたれの腰まわりには、体に沿うようなウェーブ形状の構造が採用されており、腰への負担を抑える設計となっています。実際に座ってみると、現行シートと比べても明らかに体への負担が少なそうな印象でした。
一方で、場合によっては注意しなければならないポイントとして挙げられるのが電源コンセントの数です。標準仕様では3席につき2口となっていました。USBポートが充実しているためスマートフォンの充電などには問題ありませんが、ノートパソコンを使用する場合などは、隣席の乗客とコンセントを共有する形になる可能性があります。機内でPC作業を予定している場合は、その点を考慮して準備しておく必要があるかもしれません。
この新シートの展示は、商業施設「東京ミッドタウン」で3月12日から14日まで行われ、完全事前予約制で一般向けの体験イベントも実施されました。実際の長距離フライトでの体験は機材の就航を待つ必要がありますが、「エコノミークラスに乗るのが楽しみになる」ような新シートであることは間違いなさそうです。

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