旅客機格納庫前でサウナ?

“ととのう”、“サ活”という独自のフレーズも生み出しブームになっている「サウナ」。以前は銭湯や温泉施設に併設されたものが主流でしたが、近年はテント式や仮設式のサウナ施設が普及したことで、野外や異色のイベント等とコラボするケースも多くなっています。

しかし、今回紹介するサウナのコラボ相手はなんと空港の航空機格納庫。国内(世界でも?)では初となる異色のサウナと乗りものコラボについてご紹介しましょう。

【写真】えっ…これが驚愕の「格納庫前サウナ」全貌です

 今年の3月、航空会社“スターフライヤー”と旅行会社“JTB”がコラボした体験プログラム「“STARFLYER BASE KITAKYUSHU ~翼のヒミツキチ~”(以下、翼のヒミツキチ)」報道陣向け体験会が開催されました。その目玉はなんと北九州空港にある「スターフライヤー」の格納庫前でサウナに入ることができるのです。今回、筆者はそのプレス向け発表会に参加し、恐らくは日本初(世界初?)といえる空港格納庫でのサ活を体験してきました。

 このプログラムでは実際にスターフライヤーの旅客機エアバスA320の格納庫でテント泊ができるというもので、 格納庫前サウナはその一環として楽しむことができます。

 格納庫前にはスターフライヤーの旅客機と同じ白黒カラーのサウナトレーラーが置かれ、“ととのい”に不可欠な水風呂と休息用のデッキチェアも用意されています。サウナトレーラーで体を芯まで温め、その後は水風呂と外気浴による休憩が連続で楽しむことができ、特に夜間の空港内という非日常空間でのサ活は、このプログラムでしか味わえなく特別なものだといえるでしょう。

空港の風で“ととのう”

 野外イベントで体験できるサウナは簡易テントを利用した仮設的なものが多いですが、この“翼のヒミツキチ”では専用にカスタムされたサウナトレーラーが用意されています。トレーラーは“サウナのまち宣言”をした大分県豊後大野市でアウトドア・サウナ施設を運営するジョイビレッジ株式会社が製作・所有するもので、ストーブも一般的なサウナで使われている電気式ではなく、より本格的な薪ストーブが設置されており、常設サウナ施設と変わらないハイクオリティなサ活を楽しむことができます。

 また、ホスピタリティも充実しており、タオルや水着の貸出しはもちろん、屋外サウナということで肌を隠すポンチョ(サウナと水風呂以外では要着用)や着替え用のテントまで用意されており、女性利用者や肌を露出させたくない人への配慮もなされています。

 サウナ内の薪入れや温度管理についても専任のスタッフが常駐しており、施設管理だけでなく利用者への気配りもなされていました。

サウナといえば“熱さにひたすら耐えて汗をだし、そのまま一気に水風呂にダイブ”というワイルドなイメージがありますが、極端な利用方法は体への負担だけが大きくなり、“ととのう”とはほど遠いものとなります。ここでは常駐スタッフが適度なアドバイスをしてくれ、安全面での配慮なども見られました。

初対面でも仲良く? “サウ活”の醍醐味

 プレス向け発表会が行なわれたのは3月上旬で、当日の北九州空港の夜の気温は12℃、風速は2 m/s。しかし、格納庫内の体感温度はもっと低く寒く感じました。当時の正直な感想は「ここでサウナ入る?水風呂はやめておくか…」と、あまりポジティブではないものでした。

世界初?「空港の格納庫」に誕生した“動くサウナ小屋”… 離着...の画像はこちら >>

「STARFLYER BASE KITAKYUSHU ~翼のヒミツキチ~」の一番の特徴は実際に使われている格納庫で宿泊できることで、深夜には運行を終えたスターフライヤーのエアバスA320旅客機がハンガーインする(布留川 司撮影)。

 手早くサウナ用の水着に着替えると、肌寒い外気にすぐにサウナトレーラーにイン。内部は対面で6名が入れるほどの広さがあり、一番奥には薪ストーブはエストニアのHUUMという老舗メーカーの物で、上部にはサウナストーンが積まれ、ここに水を掛けてロウリュウを行なうことができました。

 専属スタッフによって暖められたサウナ内の環境はすばらしく、10分程度で全身の発汗と体の芯までポッカポカ状態に。外に出ると先ほどまで肌寒かった空港の風も心地よく、先ほどは躊躇した水風呂も桶で汗を流してから一気にダイブ。極度な温度差によって体が感じる体感は、痛みではなく、サ活でしか味わえない多幸感に包まれたものでした。同じようにサウナに入った地元テレビ局の方は「あー、冷たいコーラ飲みたいですね、ダイエットじゃないヤツで」と唸っていました。

 体がクールダウンしたのを実感すると、水風呂を出て直ぐに体を拭きます。外気浴が出来るデッキチェアも格納庫前に置かれていました。

 ポンチョを着てデッキチェアに寝そべると、目の前には北九州空港の滑走路があり、時折飛行機が離着陸していきます。北九州空港は24時間運用の空港であり、目をつぶっても飛行機や空港施設が生み出す独自の環境音が耳に優しく響いてきます。

 イベントやキャンプでのサウナ体験の醍醐味は、非日常的な環境で楽しめることにあります。海、山、川など大自然の中で楽しめるサウ活は珍しいものではありませんが、夜の空港で楽しめるのは“翼のヒミツキチ”以外にないでしょう。

 本プログラムの参加費用は1名あたりの33万円(テント1張り2名利用の場合は1名19万2500円)と高額ですが、ここでしか味わえない唯一無二の体験を楽しめるのは間違いなさそうです。

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