ボックスシートのレオライナーが「満杯」になる日

 西武鉄道は2026年3月27日、山口線で新型車両「L00系(れおけい)」の営業運転を始めました。

【大変化!?】これが「L00系」運用開始後の様子です(画像)

 山口線は「レオライナー」の愛称をもち、西武多摩湖線「多摩湖駅」から埼玉西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームの最寄り駅である「西武球場前駅」までを結びます。

1両の長さ約8.5mという小型の4両編成がゴムタイヤで走る「新交通システム」です。

 ふだんは主に西武園ゆうえんち利用者が中心ですが、ベルーナドームでのプロ野球開催時などは、国分寺方面と球場のアクセスを担います。

 ドームの収容人数は最大約3万人。試合終了後には観客が一斉に帰路に就くため、メインのアクセス路線である狭山線のホームや車内だけでなく、山口線も人で溢れかえります。

 新たに導入されたL00系は、この混雑状況にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

 運行開始から4日後、ベルーナドームではライオンズのホーム開幕戦が行われました。本拠地での今季初戦とあり、多くのファンが来場。L00系にとっても、大量の乗客を運ぶ「実質的なデビュー戦」となりました。プロ野球開催時(平日)の混雑ピークは15時~17時台と、試合終了後です。

 新型車両がライオンズをモチーフにしていることはファンにも広く認知されており、駅構内にはPR用の横断幕が並びます。車体撮影に熱中する人や、車内のショーケースに展示されたサインボールやユニフォームを興味深く眺めるファンの姿も多く見られました。

 従来のレオライナー8500系車両は、4人掛けボックスシートが並びます。

この配置が混雑時の課題となっていました。向かい合わせの座席は、見知らぬ人と膝が当たるのを避けたり、気まずさから通路側を向いて座ったりと、満席になりにくい傾向がありました。

 また、座れなかった乗客はドア付近に固まってしまい、中ほどまで詰めるのが難しい構造でした。通路が狭いうえに、走行中に体を支える手すりも十分ではなく、稀に乗客が転倒する場面も見受けられました。

圧迫感ナシ!スムーズな乗車に車内レイアウトの変化

 野球輸送は観客数が1万5000人程度であれば「1本見送る」程度で乗車できますが、満員に近い日は改札付近まで長蛇の列ができ、乗車まで20~30分を要することも珍しくありません。実際、この日もホームから改札付近にかけて長い列ができていました。

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レオライナー「L00系」(乗りものニュース編集部撮影)

 こうした課題に対し、新型のL00系は一部を除き、ロングシート化されたことが最大の特徴です。着席定員は4両編成全体で192名から144名に減ったものの、立客を含めた乗車可能人員は396名から436名にアップしました。

 試合終了からやや時間が経過していたとはいえ、帰宅時間帯のL00系に乗車してみると、残っていた乗客のほとんどを一度に収容できていました。ロングシート化によって、詰め込みが利くようになったことを実感できます。対面ホームに停車していた満員の旧型8500系と比較すると、その差は一目瞭然です。

 特に、車内中ほどまで移動しやすくなったことで、乗客からは「以前より広く感じる」「圧迫感が減った」という声が聞かれました。

 レオライナーは、野球開催時には約10分間隔で西武球場前駅を出発します。この運行パターン自体に変わりはないものの、L00系の導入によって、ドーム満員時の行列も以前よりスムーズに進んでいる印象を受けました。

 応援で疲れたファンからは「座れる確率は減ったが、一度に多く乗れるので早く帰れるのはありがたい」との声も。概ね好意的に受け止められているようです。

 一方で、長年のファンからは「惜しい」という声も。旧車両の先頭部に掲げられていた、球団マスコット「レオ」のヘッドマークが新型には採用されておらず、その象徴的なデザインの不在を寂しがる意見も聞かれました。

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