鉄道駅のホームや通路など各所に設置されている鏡。駅利用者のためのサービスであると同時に、ある広告を掲示するスペースとしての役割も担っています。
駅のホームや構内などで設置されている鏡は、ちょっとした身だしなみのチェックなどに使えます。ただ、それだけのためであれば、トイレにある鏡でも十分用が済みそうですし、最近ではスマートフォンを鏡のように使うこともできます。にもかかわらず、駅構内にいくつも鏡が置いてあるのはどうしてでしょうか。
鉄道駅の構内に設置されている、広告スペースつきの鏡。写真はイメージ(佐藤 勝撮影)。
こうした鏡のそばには、広告を掲示するスペースがあります。京都市営地下鉄などの交通広告を手がける広告代理店、日新商事(京都市上京区)によると、「キラリと光る鏡は視線を集めやすく、鏡の前で足を止める人もいますので、広告が乗降客の目にとまりやすいのです」といいます。
「鏡の広告がいつ登場したのかは分かりませんが、少なくとも京都市営地下鉄が初めて開通した1981(昭和56)年ごろからすでに駅構内で見られました。駅のホームや改札、通路などにある鏡だけでなく、階段の踊り場などで安全確保のために設置された鏡にも広告スペースがあります。鏡は利用者のためのサービスを兼ねた広告媒体といえます」(日新商事 担当者)
ポスターなど大型の広告よりは広告料が安いということもあり、大手企業に限らず、駅近くの会社や個人店などさまざまな広告主からの出稿があるそうです。
「鏡の広告ではどちらかというと、駅から店舗などへの道案内を示すリードサインとしての用途が多いようです」(日新商事 担当者)
つまり、鏡をのぞき込む人に店の存在を知らせ、さらに店までの案内情報を載せることで、客を呼び込もうという狙いがあります。駅構内の鏡は利用者と広告主の両方にメリットのある仕組みといえそうです。
京都市営地下鉄の駅構内に設置されている人形ボード。広告の掲示も可能だが、老朽化のため数を減らしているという(佐藤 勝撮影)。

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