フェリーさんふらわあが、新造船「さんふらわあ きりしま」を披露。先に就航している「さんふらわあ さつま」と同様、客室の8割以上が個室です。
2018年9月15日(土)、大阪~志布志(鹿児島)航路に新造船「さんふらわあ きりしま」が就航します。これに先駆けフェリーさんふらわあが12日(水)、さんふらわあターミナル(大阪市住之江区)でこの新造船を報道陣に公開しました。
2018年9月15日に就航する新造船「さんふらわあ きりしま」(2018年9月12日、伊藤真悟撮影)。
船の旅を単なる移動手段としてではなく、航海そのものを楽しむ「カジュアルクルーズ」と位置付けているフェリーさんふらわあは、快適に旅ができるよう新造船で個室の割合を8割以上まで増やし、さらに個室全室にシャワーと洗面台、トイレを設置し快適性を向上させています。エントランスや船上レストランもゆったりとした空間になり、1人から子ども連れの家族、グループ、ペット連れなど多様な利用スタイルに対応できるように進化させています。
今回登場の「きりしま」は、大阪~志布志航路で1993(平成5)年8月から使われている同名船を更新するために新造されました。全長は旧船より6m長い192m、総トン数は1万2418tから1万3500tへとアップ。積載車両数は、大型トラック(13m換算)で104台から121台に増え、物流の需要にも応えます。
新グレード「スイート」をはじめ多彩な客室を用意大阪~志布志航路は、従来から「さんふらわあ さつま」と「さんふらわあ きりしま」が使用されています。“相方”である「さつま」はひと足早く2018年5月から新造船で運航を開始。そして「きりしま」がこれに続く形です。
3層吹き抜けのエントランスエントランスホール。
大きな窓から海を見ることができる船内浴場。
最上級の客室「スイート」。
新「きりしま」のコンセプトは、新「さつま」と同じく「初めての経験 わくわくドキドキ さんふらわあのカジュアルクルーズ」。エントランスホールは3層吹き抜けで、天井部にプロジェクションマッピングを投影できます。レストランは計197席で、テーブル席とカウンター席で構成。夕食、朝食ともバイキングメニューが提供されます。また、大きな窓から大海原を臨む展望浴場もあります。
一般客室は、上位グレードから次のとおりです。「さつま」とともに初めてフェリーさんふらわあの船に登場した「スイート」をはじめ、国内初というペットと過ごせる船室「デラックス(ウィズペット)」も設定。優雅で多様な旅が楽しめるよう、多彩なグレードと設備がそろえられています。
個室「スイート」・室数:10
・総員:30人
・運賃:3万2600円(2018年9月中の大人1人通常運賃。以下同じ)
専用のバルコニーやバスタブ、トイレ、洗面台を完備。
「デラックス」。
「デラックス(和室)」。
「スーペリア」。
個室「デラックス」
・室数:38
・総員:152人
・運賃:2万9400円
専用のシャワー、トイレ、洗面台を完備。さらに畳み敷きの和室タイプ(2室、8人、3万400円)や、ペットと過ごせる「ウィズペット」タイプ(10室、40人、2万9400円)もあります。
個室「スーペリア」・室数:32室
・総員:64人
・運賃:2万3600円
部屋は通路側のため窓はありませんが、「スイート」や「デラックス」などと同様に、専用のシャワーとトイレ、洗面台が利用可能です。
個室でなくてもプライベート空間を確保以降のグレードは個室ではありませんが、仕切りやカーテンなどでひとりずつの区間が分けられています。
「プライベートシングル」・室数:2室
・総員:16人
・運賃:1万6800円
個室ではない7人部屋と9人部屋ですが、ベッドがあり、出入口のカーテンにより個々のプライベート空間が保たれます。
「プライベートベッド」・室数:11室
・総員:176人
・運賃:1万5800円
上下2段のベッドが並びます。カーテンを引くことで各ベッド内のプライバシーは確保できます。
「プライベートベッド(グループ)」・室数:4室
・総員:16人
・運賃:1万7800円
2段ベッド2組を設置した個室タイプの部屋です。
「プライベートシングル」。
「プライベートベッド」。
「ツーリスト」。
「ツーリスト」
・室数:4室
・総員:61人
・運賃:1万2800円
一番手ごろな大部屋です。隣とはカーテンで仕切ることが可能。バリアフリーに対応した「ツーリスト(バリアフリー)」(2室、28人、1万2800円)もあります。
ここまでは一般客室の紹介でしたが、トラックの運転手が利用できる個室「スタンダードシングル」もあります。この客室は、お盆など物流が減る時期には一般にも販売されます。また、トラック運転手専用の娯楽室と浴場も設置されています。
このほか客室以外では、ベビールームやキッズルーム、ドッグラン、ゲームコーナー、給湯室、ランドリーなどもあります。
トラック運転手用客室「スタンダードシングル」。
レストラン。
プロムナード。
新造船「きりしま」は15日(土)の大阪発から運航を開始。これに代わり従来船の「きりしま」は引退を迎えることになりますが、「さつま」が整備で運休する10月2日(火)から31日(水)までの期間は、代替として「きりしま」の旧船が使われる予定です。