災害派遣要請による出動です。
2019年5月26日(日)未明に千葉県銚子市犬吠埼沖にて発生した貨物船同士の衝突事故について、海上自衛隊は27日(月)、行方不明者の救助活動に潜水艦救難艦「ちよだ」を派遣したと明らかにしました。
海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちよだ」(画像:海上自衛隊)。
同事故においては衝突した貨物船2隻のうちの1隻が沈没し、28日12時現在、乗組員3名が行方不明のままになっています。
潜水艦救難艦「ちよだ」は2018年3月20日に就役した自衛艦で、事故などで浮上できなくなった潜水艦からの乗員救出をおもな任務としています。平時には潜水艦へ水や食料を届ける潜水艦母艦としての役割も担っています。
「ちよだ」には、ふたり乗りの深海救難艇(小型潜水艦)「DSRV(Deep Submergence Rescue Vehicle)」が搭載されていますが、今回の救助活動に使用されるかは不明です。簡易救命具を着用して海面を目指す方法がとられる可能性もあります。また、「ちよだ」艦内には手術用寝台やベッドのほか、水中から浮上する際の減圧症対策の機材など充実した医療区画が備えられています。
【写真】潜水艦救難艦のもう1隻、呉の「ちはや」とそのDSRV

2019年現在、海自に配備されている潜水艦救難艦は2隻。「ちよだ」が横須賀を母港としているのに対し、「ちはや」は呉を母港としている。写真は2012年の観艦式における「ちはや」。艦の中ほどに「ちはや」の白いDSRVが見える(2012年10月、恵 知仁撮影)。