JALが新制服を発表しました。一部部門のデザインは、クリエイティブディレクターの江角泰俊さんが担当。
JAL(日本航空)は2019年7月23日(火)、客室乗務員や運航乗務員、整備士などJALグループの航空運送事業に関わる全部門の新制服を発表しました。
JALグループの新制服(2019年7月23日、伊藤真悟撮影)。
2013年に着用を始めた現行制服を、2020年4月に一新します。基本コンセプトは、現行制服の優れた点を生かしながら必要な品質・機能を兼ね備えたものとし、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(2030年までの国際的、持続可能な開発目標)のひとつ「持続可能性に配慮した調達コード」への取り組みに対応します。
客室乗務員の新制服デザインは、クリエイティブディレクターでデザイナーの江角泰俊さんが担当。「Hybrid Modern Beauty」をテーマに、異なる素材を組み合わせたハイブリッドというデザイン手法を用いて、「洗練されたハイブリットビューティ」「ハイブリッドが生み出す、現代的な美しさ」を表現したといいます。
女性用のワンピースは、「航空会社の制服では極めて珍しい」(JAL)というバルーンスリーブを採用。袖形状は業務に最適化したボリュームと動きに設計されています。スカーフは大判化し、曲線と直線を融合させたデザインに。また、スカーフと同じストライプをあしらったエプロンを新たに導入。パンツスタイルは、ワンピースと並んだ際に同じ印象となるバランスのデザインです。
地上接客部門も江角さんがデザイン。鶴をイメージした曲線的フォルムにより、エレガントさを表現しつつ、様々な動きでも美しい所作を維持できるようパターンメイキングを工夫しているといいます。
運航乗務員は、従来と同様のJALグループ伝統デザインとしつつも、動きやすさを重視したパターンの変更などにより機能が向上。また、新導入の女性専用制服はジャケットをシングルボタンとし、折り鶴の展開図をモチーフにした江角さんによるデザインのスカーフを採用します。

左2人が客室乗務員、右2人が地上接客部門。

運航乗務員。

沖縄地区のかりゆしウェア。
整備士とグランドハンドリングスタッフの作業衣であるカバーオールは、スポーツウェアメーカーのデサントジャパン社、雨衣や防寒衣といったアウター類は、登山・アウトドア用品メーカーのモンベル社がデザインしました。グランドハンドリングスタッフの作業衣は、カバーオールに加え、セパレートタイプやポロシャツが新たに導入されます。
沖縄地区のかりゆしウェアは江角さんがデザインを監修。デイゴなど5つの沖縄の花を鮮やかな色彩で配置します。すべてのかりゆしウェアは沖縄県内で生産されます。
今回の新制服デザインの選定は、「一緒に創るプロジェクト」として一般から意見を募りつつ、実際に制服を着るJALグループスタッフのプロジェクトチームが中心となり進められました。客室乗務員のバルーンスリーブの袖形状や、パンツスタイルの導入など、実際に反映された提案も多く寄せられたといいます。
JALの赤坂祐二代表取締役社長は「制服は単なるユニフォームではなく、企業のシンボルあるいはイメージでもあります。これを変えるというのは勇気のいることです。現制服は(2010年の)経営破綻以降の再生の象徴で、社内でも愛着のある制服です。自分自身も悩みましたが、次のステージに向かっていくきっかけとして変えることにしました」と話しました。