岡山県警が全国で初めて「あおり運転」の通報専用サイトを開設。全国であおり運転の通報が増えているなか、専用サイトの開設に乗り出したのには、あおり運転事案に特有の課題もありました。
岡山県警が2019年11月21日(木)に、いわゆる「あおり運転」の通報専用ウェブサイト「岡山県あおり運転110番 鬼退治ボックス」を開設しました。
サイトではフォームから危険運転の情報を入力して通報できるほか、ドライブレコーダーの映像を提出する仕組みも存在。岡山県によると、インターネットを通じて一般からドライブレコーダー映像の提供を受ける取り組みは、全国の警察で初めてだそうです。開設の理由について、岡山県警交通指導課は次のように話します。
あおり運転の社会問題化にともない、ドライブレコーダーの需要も高まっている。写真はイメージ(画像:写真AC)。
「時間を問わずインターネットで通報を受け付けられ、これまで電話などでの通報を躊躇(ちゅうちょ)していた方なども通報しやすくなると考えています」(岡山県警交通指導課)
また、岡山県警では別の効果も期待。「あおり運転に対しては取り締まりやパトロールを強化していますが、このようなサイトを作ることにより、警察の目だけでなく『第三者から見られている』とドライバーが意識し、危険な運転の抑止につながるでしょう」と話します。
「あおり運転」判断が難しいケース どうする?警察庁が2018年1月に全国の警察へあおり運転の取り締まり強化を通達して以降、全国的にもあおり運転被害の通報は増えているといいます。しかし「車間距離保持義務違反」や「急ブレーキ禁止違反」といった反則行為は存在するものの、「あおり運転」そのものに具体的な定義がなく、実際には判断が難しいケースもあるとのこと。
「自分があおったことで、あおり返され、半ば怒りに駆られて通報しているケースなどもあります。そうしたときに、ドライブレコーダーの映像で『全体の流れ』を見せてもらえれば、判断もしやすくなるでしょう」(岡山県警交通指導課)

「岡山県あおり運転110番 鬼退治ボックス」における情報提供のイメージ(画像:岡山県)。
なお、ドライブレコーダーの映像は、専用サイトの入力フォームから自由にアップロードできるわけではないとのこと。入力フォームに動画などのデータの有無を選択する項目があり、そこで「有」とされた通報に対し、岡山県警が情報を精査したうえで通報者に連絡し、データをやりとりするそうです。また寄せられた動画は捜査だけでなく、あおり運転などの抑止に向けた広報にも活用していくといいます。