スキー場など、ふだん住んでいる地域より寒冷な場所へドライブする場合、気をつける点があります。積雪や凍結、低温に対し、クルマへ積んでおくと便利なもの、やってはいけないこと、要注意なことをまとめました。
冬場のドライブで、ふだん暮らしている場所より寒い地域へ行く際には、スタッドレスタイヤやチェーンなどのほかにも、いくつか注意したい点があります。そうしたなかから5つ挙げました。
クルマを運転するうえで、寒冷地とそれ以外では冬場の常識が異なることも(画像:saz1977/123RF)。
積雪
積雪地域では冬になると、車体から雪を落とすためのブラシやスクレーパーをクルマに積んでおきます。クルマの屋根に雪を乗せたまま走行すると、走行中に後続車のほうへ飛んだり、ブレーキをかけたとき前へ落ちてきたりと、危険を招きかねません。屋外に駐車する可能性があるなら、用意したほうがよいでしょう。ただ、ブラシやスクレイパーで雪を落とす際、クルマに傷がつくこともあるので注意が必要です。
屋外への駐車が長時間におよぶ場合は、スコップも1本載せておくと安心です。除雪された車道までの数mが積雪のため動かせない、といった事態も考えらます。
凍結特に、寒冷地の屋外にひと晩駐車するような場合は、凍結に注意です
フロントウインドウなど窓ガラスの凍結は、急ぐ場合、カー用品店などで入手できる解氷剤を使用したり、スノーブラシなどについているスクレーパーでそぎ落としたりしましょう。お湯をかけるのは、たとえぬるま湯でも、ガラスが割れる可能性があるので危険です。水やウインドウォッシャー液は、かけたとたんに凍結することもあります。
また、鍵穴が凍結してキーが刺さらなかったり、ドアが凍結で開かなかったりすることもあります。こうした事態にも、解氷剤が役立ちます。
寒冷地の冬は「パーキングブレーキをかけない」が常識寒冷地ではクルマの内側も凍り付きます。
パーキングブレーキ寒冷地では冬になると、作動したまま凍結することがあるため、パーキングブレーキは使用しないほうが無難です。駐車する際はなるべく平坦な場所を選び、輪留めを前後対角線上のタイヤ2箇所にかませます。
電動式パーキングブレーキ車の場合、エンジンを停止したり、Pレンジにシフトするだけで自動的にパーキングブレーキが作動するタイプもあるので、そうならない方法をマニュアルなどで確認しておきましょう。
エンジンルームの液体エンジンルームにはウインドウォッシャー液やラジエーターの冷却液などがありますが、それらは水より凍結しにくい不凍液なので、ある程度の低温下までは問題ないでしょう。
ただ不凍液にも限度があります。たとえばウィンドウォッシャー液は、摂氏マイナス60度でも凍結しないものもありますが、摂氏マイナス5度程度で凍結してしまうものもあります。冷却液も、摂氏マイナス10度程度で凍結する場合があります。
またウインドウォッシャーについて、液そのものは凍っていなくとも、窓にかかったところから凍結することもあるので、特に走行中は注意が必要です。目の前が真っ白になってしまいます。
ディーゼルエンジン車の場合、燃料にも要注意です。
ディーゼルエンジンの燃料ディーゼルエンジンの燃料である軽油は、季節や地域により販売される種類が異なります。軽油はガソリンに比べ低温に弱く、等級によって使用可能な目安の温度が設定されており、たとえば関東以南で広く使われている「特1号」は、摂氏5度程度以上での使用が目安とされています。その「使用限界温度」を下回る寒さにさらされると、燃料タンク内やパイプ内で軽油が凍結し、エンジンが始動できなくなることもあり得ます。
冬場にディーゼルエンジン車で寒冷地へ向かう場合には、目的地に到着できる程度の燃料量で出発し、現地でなるべく早く寒冷地に対応した軽油を給油する、といった形にすると安心でしょう。
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このほか、バッテリーは低温環境下だと電圧が下がる傾向にあり、またエンジンオイルも極端に寒いと固くなるという特性があります。特に寒い場所へ行くときは、気を付けたほうがよいでしょう。