真っ黒な胴体が特徴的なスターフライヤーに乗りました。強みは広く設備が充実している座席です。
空港に駐機場でひと際目立つ、真っ黒な胴体が特徴のスターフライヤーは、北九州空港を拠点に国内6都市へ就航するほか、北九州や中部と台北を結ぶ国際線なども開設している航空会社です。同社の飛行機(羽田発関西行き)に搭乗しました。
同社で使われている飛行機はエアバスA320型機です。いずれも全席普通席ですが、席の前後間隔は広めになっています。JAL(日本航空)やANA(全日空)など日本のフルサービスキャリアにおける国内線用機材の場合、80cm前後が一般的といわれている前後のシート間隔ですが、スターフライヤーは約90cmです。
スターフライヤーのエアバスA320型機(2019年12月、乗りものニュース編集部撮影)。
座席は革張りで、ベースカラーは黒です。全席にUSBポート、個人モニター、そしてフットレスト(足置き)が設置されています。なお2019年12月現在、国内線用機材の座席で個人モニターがあるのは、JALやANAでも一部新鋭機の座席のみです。フットレストはほかの国内航空会社の普通席では見られません。
機内のユニークな点はこのほか、飛行機の離陸前に流れる機内安全ビデオに「スターフライヤーマン」なるオリジナルロボットが登場することが挙げられるでしょう。
「スターフライヤーマン」の機内安全ビデオが生まれた理由をスターフライヤーの広報担当は次のように話します。
「スターフライヤーは30代から40代の男性ビジネスマンの方をコアターゲットとしているのですが、この世代はロボット好きが多いことから、より目を引くようにこのキャラクターを安全ビデオに出演させました。また、拠点の北九州市は工業都市で、外国人に向け日本の技術力をアピールする狙いもあります。どこかコミカルな動きをつけることで、女性やお子様にも喜んで見ていただけるようにもしています」(スターフライヤー 広報担当)

スターフライヤーの普通席(2019年12月、乗りものニュース編集部撮影)。
また、スターフライヤーは羽田空港の使い方もユニークです。羽田空港は国内線ターミナルが第1、第2のふたつあり、基本的に航空会社ごとにいずれかへ振り分けられているのですが、同社のみ両方を併用しています。なぜこのような運用をしているのかも聞きました。
「空港運営上の理由などひとつではありませんが、もっとも大きな理由は、ボーディングブリッジ(搭乗橋)を使って飛行機に乗れるようにするためです。お客様がゲートからバスを使って搭乗することをできるだけ減らすよう工夫した結果が、第1、第2ターミナルを両方使うことでした」(スターフライヤー 広報担当)
なおスターフライヤーは、羽田空港のターミナルを行先によって使い分けています。北九州、福岡空港行きに乗る場合は第1ターミナルから、関西、山口宇部空港行きに乗る場合は第2ターミナルからとなっています。