「新型コロナウイルス」に関し、邦人救援チャーター機の初便が羽田空港に到着、第2ターミナル別棟サテライトに駐機しました。この「サテライト」、実はとてもユニークな施設なのですが、館内はどのようになっているのでしょうか。
中国で発生した「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、日本政府は現地に残る日本人救援のためチャーター便を手配、武漢を発った最初の便が2020年1月29日(水)午前、羽田空港に到着しました。
チャーター便を運航したのはANA(全日空)で、この到着便はANAが拠点とする同空港第2ターミナルから離れた、貨物エリアの一部にある別棟「サテライト」に駐機しました。実はこの施設、羽田空港ならではのユニークなものです。
羽田空港第2ターミナル別棟「サテライト」(2020年1月、乗りものニュース編集部撮影)。
飛行機に搭乗、降機するとき、利用者は空港のターミナルビルから搭乗橋(ボーディングブリッジ)を使うか、あるいはバスや徒歩で機体のかたわらまで行き、階段が備え付けられた車両(タラップ車)で乗り降りするのが一般的です。
ところが羽田空港のサテライトからの搭乗、降機方法はこのどちらでもあり、どちらでもないといったユニークなものです。
サテライトから出発する際、利用者は一旦第2ターミナルの本館で保安検査を通過したのち、専用のゲートから一旦バスでサテライトに向かいます。到着したサテライトは3基の搭乗橋が設置されていて、利用者はそこから本館と同じような形で、搭乗橋を使って飛行機に乗り込みます。到着の際の流れはその逆で、バスで本館まで戻ったのち手荷物受取などを行います。
なお、このサテライトには、その対象便の航空券を持っていないと入ることができません。飛行機がどのスポットに割り当てられるかを、前もって完全に把握するのは難しいため、このユニークな施設を使えるかどうかは運次第です。
再開待たれる羽田空港「サテライト」その館内は羽田空港内にあるサテライトの館内は、本館である第2ターミナルと見間違うほど、デザインが統一されています。
館内はさまざまな形のソファやテーブルなどが配置された待合室があるほか、化粧室や喫煙所、ドリンクやお土産などが買えるショップ「ANA FESTA」も備わっています。
待合室のソファやテーブルは、スマートフォンやパソコンなどの充電設備も充実しているほか、空港ラウンジの設置はないものの、ANAラウンジ内専用のインターネット接続サービスが、この施設では開放されているのもポイントです。

羽田空港第2ターミナル別棟「サテライト」の館内(画像:ANA)。
ただし救援チャーター便が到着した2020年1月29日のサテライトは、通常の様相とは異なったようです。このフライト関係者のみの利用で、そのほかの利用者は立ち入ることができないほか、チャーター便を利用した武漢からの利用者は、この日に限りサテライト館内で入国手続きや手荷物受け取りが行われました。
羽田空港を運営する日本空港ビルデングはサテライトについて「1月29日は終日一般の方が入れないよう閉鎖し、そののち消毒などを徹底したうえ、運用を再開する予定です。今後お客様がご利用する際には、安心して使っていただけるように準備いたします」としています。
※一部修正しました(1月30日10時17分)。