クルマだけでなく、家の掃除などに使えるカー用品、意外と多いかもしれません。ガラスの油膜取りはお風呂の鏡の掃除に、ブレーキパーツのクリーナーはシール落としに……なんと、ドライブレコーダーを家で使う人もいます。
クルマのガラスに付着した油膜落とし用洗剤 「キイロビン」は、カー用品メーカーのプロスタッフ(愛知県一宮市)が1975(昭和50)年に発売し、1000万本を売り上げているものですが、これの、本来の用途以外での活用が拡がっているといいます。そのひとつが、お風呂の鏡のクリーナーとしての使用だそうです。
カー用品店「オートバックス」を展開するオートバックスセブンによると、「クルマのガラスについたウロコ状の汚れを取るものですが、お風呂の鏡も水垢や石鹸カスなどで同じような汚れがつきますから、それも落ちますよ」とのこと。
「キイロビン」シリーズ(画像:プロスタッフ)。
プロスタッフによると、キイロビンは住宅メーカーから、鏡のクリーナーとして紹介したいという申し出があるほどだそう。ただし、結露防止などの特殊コーティングがしてある鏡は、そのコーティングも落としてしまうので注意が必要だそうです。
このほか、手袋にスポンジなどがついたグローブタイプの洗車道具も、浴槽のカビ落としなどによく使われるといいます。また、「カッパの足」と呼ばれる、靴をすっぽり覆うビニール製の簡易長靴も、もともと洗車時に靴が汚れるのを防ぐために開発したものの、実際には自転車通学の中高生や、家庭園芸を楽しむ女性などによく売れるのだとか。
このようにユーザー自身がカー用品をクルマ以外の用途に使うだけでなく、プロスタッフには、カー用品から派生して別の用途向けに開発した商品が少なくないといいます。
そのひとつが「墓石クリーナー」。墓石もクルマのボディーやガラスと同じように、砂や土の汚れ、水垢が沈着することから作ったものだそう。同社はカー用品でホームセンターにも販路があり、そちらからの引き合いが多いそうです。
クルマ以外にも使われるカー用品、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。オートバックスセブンに聞いてみました。
ガラスのくもり止めクルマのフロントガラスだけでなく、家の洗面所の鏡などにも有効だといいます。
厚手のペーパータオル・薄手のマイクロファイバークロス厚手のペーパータオルは、アメリカの「スコット ショップタオル」が代表的。整備士などがオイルのついた手を拭くなどの用途で使われるものですが、吸水性と吸油性に優れ、キッチン用や掃除用具として使われることも多いのだとか。実際、「コストコ」でも取り扱われています。
また、オートバックスが自社ブランドで展開している、箱ティッシュの感覚で使える薄手のマイクロファイバークロスも、キッチンペーパーのようでありながら洗って再利用も可能なことから、油汚れがついたガスコンロの掃除といった用途も想定しているそうです。

オートバックスの自社ブランド商品「ティッシュのように使えるマイクロファイバークロス」。パッケージにもガスコンロの写真が(画像:オートバックスセブン)。
芳香剤
たとえば、バックミラーなどに吊るすタイプの芳香剤を家で使う人も多いとか。「いまどきのアロマやホームフレグランスといったものより、気軽なものとして使う方がいらっしゃいますね」(オートバックスセブン)とのこと。
ブレーキパーツクリーナーブレーキパーツなどの汚れを洗浄、脱脂するスプレータイプのクリーナーです。
家の防犯用に使う例があるそうです。ドライブレコーダーは走行中、録画と上書きを繰り返し、衝撃を感知した場合などに、そのときの映像を保存する(イベント録画)という仕組みですが、「ドア開閉の衝撃でもイベント録画を作動させられるでしょう」(オートバックスセブン)とのこと。
なお電源はクルマ用のDC(直流)12ボルトですが、これを家庭用のAC(交流)電源に変換し、シガーソケットのプラグを使用できる機器が市販されています。
オートバックスセブンによると、カー用品は、家庭用の商品をクルマ専用にしたものが少なくないといいます。その逆もまた然り、というわけです。