乗用車と比べてはるかに大きい車体を安全に走らせ、さらに、車内の乗客の動きもしっかり確認しなければならないバス、それを支えるのが車内外のミラー類です。いったい、いくつあるのでしょうか。

バスの車外ミラーは標準で3つ しかし…

 バスの車内外に取り付けられたミラー類、いくつあるのでしょうか。

 いすゞによると、一般的な大型路線バス「エルガ」の場合、車外のミラー類は標準で3つ。右側バックミラー、左側バックミラー、そして車体の左前方下を映す左側アンダーミラーだそうです。このほかオプションとして、右側アンダーミラー、車体左側面を広く映すサイドアンダーミラーのほか、方向幕確認ミラーを追加する事業者もあるといいます。

バスのミラーはいくつある? 車外・車内に大小さまざま 「ミラ...の画像はこちら >>

路線バスのミラー類。縦長のものが左側バックミラー、丸いものが左側アンダーミラー、横長のものが左側サイドアンダーミラー(2020年6月、乗りものニュース編集部撮影)

 東京の中央線沿線を中心に路線バスを運行する関東バスの場合、標準の3つに、オプションの右側アンダーミラーと、左側のサイドアンダーミラーを加えた5つを取り付けているとのこと。東京では、関東バス以外でもこの5つを取り付けたバスが広く見られます。

 では、車内はどうでしょうか。

 いすゞ「エルガ」の場合、標準仕様のミラーは4つです。車内前方中央に取り付けるバックミラーのほか、前扉と中扉付近上部のミラー、さらに前扉のステップを映すミラーがあります。このうち中扉上部のミラーは、車両前部のミラーにそれが映り、合わせ鏡の形で運転席から確認するものだとか。

 このほかいすゞは、バス事業者のニーズに対応すべく各ミラーの取り付け位置や鏡面の曲率などで、数十種類のオプションを用意しているといいます。

オプションのミラーも多数 車内外ぜんぶ合わせると…?

 関東バスでは、前扉のステップを映すミラーをオプションで大型化しているほか、中央のバックミラーの左側、および運転席の右側にそれぞれ補助ミラーも取り付けており、車内のミラーはぜんぶで6つだそうです。車外のものと合わせれば、関東バスの車両には11個ものミラーが取り付けられています。

 NPO法人 高齢者安全運転支援研究会の岩越和紀さんは、JAF(日本自動車連盟)の会報「JAF Mate」2020年6月号の寄稿文で、バスのミラーの多さに言及しつつ、次のように述べています。

バスのミラーはいくつある? 車外・車内に大小さまざま 「ミラーのミラー」も

都営バスの車外ミラーは5つ(2020年6月、乗りものニュース編集部撮影)

「もちろん瞬時にすべてを見ているわけではないが、左折や停止時など、見る順番を決めて確認するドライバーの運転は安定している。さらに発進時に指差し確認を入れるプロもいる」(岩越和紀さん/「JAF Mate」2020年6月号より)

 そのうえで、「バスのドライバーを観察するのは、(一般人の)運転の参考になる」としています。

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