ANAのコーポレートカラーといえば「青」。機体の青色のほか、CAの制服にも長年、紺系統の色を採用してきました。

しかし現行の制服はグレーです。なぜなのかを聞いてみました。

機体、ロゴマーク、座席も「青」づくしのANA 制服だけ例外

 ANA(全日空)のコーポレートカラーといえば、「青」というのが広く知れわたっています。「トリトンブルー」と呼ばれる濃い青がロゴの文字や機体の基調色に用いられているほか、それらデザインの一部に「モヒカンブルー」と呼ばれる薄い青も使われています。

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ANAのボーイング787-10型機導入時、客室乗務員と(2019年、伊藤真悟撮影)。

 国際線エコノミークラスや、国内線の普通席の座席もトリトンブルー系統が使われているなど、「青」をコーポレートカラーとしている同社ですが、その例外のひとつが、CA(客室乗務員)や地上係員が着用している制服です。

 ANAの現行制服は、創立60周年かつ2013年の持株会社制導入を踏まえ、2015(平成27)年に導入されたもの。上着の色はライトグレーで、ズボンとスカートは濃いめのグレーです。

 たとえばLCC(格安航空会社)のピーチなどはピンク、スターフライヤーはブラックなど、コーポレートカラーをそのまま制服のカラーとしている航空会社もあるなか、なぜグレーなのでしょうか。

グレーが採用された背景を聞いてみた

 ANAは、スタッフの制服にグレーが採用された経緯を次のように話します。

「『優雅かつブランドを体現し、世界一のリーディングエアライングループとしての機内サービス品質の高さを感じていただく』といったコンセプトが決まったあと、エレガント(洗練されて、上品な)で、フォーマルすぎないフォーマルであり、ソフトな女性らしさの中にモダン・シャープな印象という点をデザインに取り入れております」(ANA広報部)

ANAのCA制服なぜ「グレー」? 実は青だったこともあった

ANAで上映される「歌舞伎」モチーフの機内安全ビデオ撮影を実施する客室乗務員(2018年、恵 知仁撮影)

 ちなみに現行制服でも、いわゆる「ANAブルー」は袖口から脇にかけてなど部分的に取り入れられており、ベースカラーがグレーであっても、ANAスタッフと分かるようになっているとのことです。またテーマとして、「フルサービスキャリアとして更に進化するANA」を目指したものとしています。

 なお、1982(昭和57)年から現行制服が採用される2015年までのCA制服は、紺色系統のものが採用されていました。その初代にあたる1982年から1990(平成2)年までの制服は創立30周年記念日に一新され、CA間の投票によって決められたもの。その後も33年間デザインや細かな色合いを変えながら、テーマカラー自体はおおむね引き継がれていました。

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