2025年8月「負債1,000万円未満」倒産状況
2025年8月の負債1,000万円未満の倒産は、件数が35件(前年同月比20.4%減)で、 2カ月連続で前年同月を下回った。3月の31件を底に、4月から7月まで前月を上回って推移していたが、8月は4カ月ぶりに30件台にとどまった。
2025年1-8月累計は342件(前年同期比7.5%減)で、月平均42.7件で推移している。
産業別では、10産業のうち、増加が運輸業、情報通信業の2産業で、減少が農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、小売業、金融・保険業の5産業。卸売業、不動産業、サービス業他は前年同月と同件数だった。
負債1,000万円未満の倒産は前年同月を下回ったが、人手不足や物価高、金利上昇などで収益を下押しされる中小・零細企業は多い。
また、負債1,000万円以上の「人手不足」倒産(「後継者難」を除く)は、1-8月累計で239件(前年同期比22.5%増)と集計開始以来、最多を更新した。より待遇の良い働き先を求め、退職や求人難の動きが強まることが懸念され、小・零細企業ほど大きな経営リスクを抱えている。
まだ具体的な動きは見えないが、トランプ関税の発令で先行きへの不透明感は増している。物価の高止まりに加え、待遇格差の広がりによる人材確保の難しさ、金利上昇などで経営を圧迫されている企業は多いなか、年末の資金需要期に向けて小・零細企業の脱落が増加する可能性が高まっている。
※本調査は、2025年8月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。