2025年8月「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況
2025年8月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」利用後の倒産は、27件(前年同月比27.0%減)で、2024年6月から15カ月連続で前年同月を下回った。1-8月累計は276件(前年同期比34.1%減)で、同期間ではピークの2023年(445件)から37.9%減少し、2年連続で前年同期を下回った。
物価高や人手不足、困難な価格転嫁、金利上昇に加え、トランプ関税の発令など、経営リスクが高まっている。2024年3月にマイナス金利政策が終了し、同年6月末まで「コロナ借換保証」の取扱期間が延長されたが、その後は「経営改善サポート保証」など、経営改善や事業再生を目的とした支援に軸足を移した。 企業はこうした支援制度を積極的に活用し、自助努力で経営改善を進めることが求められる。
財務省と金融庁が公表した「金融機関における貸付条件の変更等の状況について」によると、2025年4-7月末の政府系金融機関と銀行への返済猶予の申込件数は18万2,122件で、実行率は98.9%に達する。ただ、リスケで一時的な資金繰りを緩和させても、返済原資を利益償還できる収益力を回復できない場合、事業再生か事業継続の断念か、決断の時期を迎えることになる。
※本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の利用が判明した倒産(法的・私的)を集計、分析した。