~ソフトバッグ製剤のリコール問題を主因に経営悪化~

 ネオクリティケア製薬(株)(厚木市)は9月5日、東京地裁より破産開始決定を受けた。申請代理人は富樫剛弁護士(弁護士法人東京フレックス法律事務所、新宿区四谷1-20)。

破産管財人には横山兼太郎弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2)が選任された。
 負債総額は約44億7100万円(2025年3月期決算時点)。

 厚木市に本社兼工場を構え、注射剤を主力とする医療用医薬品の製造販売や受託製造を展開。医薬品商社や製薬会社へ販路を築き、総合病院から地域密着のクリニックまで幅広い医療機関へ納入していた。2018年3月期にはピークとなる売上高63億8099万円を計上したが、同期は1億2326万円の赤字となるなど、採算面には課題を抱えていた。

 こうしたなか、2019年にはアラブ首長国連邦(UAE)を本拠地とするNeopharmaグループの傘下となった。2020年には受託製造するソフトバッグ製剤に関して環境モニタリング試験の不備が相次いで発覚し、委託元である多数の製薬会社が複数品目にわたって自主回収するリコール問題へ発展。

 これにより当社は製造・出荷停止を強いられて業績は悪化の一途をたどり、2023年3月期の売上高は約30億円まで落ち込み、約10億8400万円の赤字を計上して債務超過に転落した。信用失墜とともに資金繰りも逼迫し、支払遅延、給与遅配、不動産差押などが表面化するなか、今回の措置となった。

 なお、関係者によると2名代表のうち1名やその他取締役が8月までに辞任届を提出していたことなどで、現認の取締役による準自己破産の申し立てとなった。


※ネオクリティケア製薬(株)(TSRコード:290052300、法人番号:8011101062499、厚木市旭町4-18-29、設立1947(昭和22)年9月、資本金1億円)

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