船釣りのターゲットとして人気のイサキ。食味もよく、初心者でも数釣りが狙える好ターゲットです。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
イサキの生態
イサキはスズキ目イサキ科の魚で、釣れるサイズは15~40cmぐらいが多いです。根着きのイサキになると時に50cmを超えることもあります。

生息域は本州中部以南から南シナ海にかけてで、岩礁帯を特に好んで生活しています。日中はこの岩礁帯周りにひそみ、朝夕には岩礁帯から出てエサとなるアミ類や甲殻類、小魚などを捕食します。船釣りでは水深20m前後から50m程度の岩礁帯周りがポイントになることが多いです。

イサキ?イサギ?
イサキは「イサギ」と呼ばれる地域も多く、それ以外にも各地でさまざまな呼び名がある魚です。また、若魚のときは「ウリボウ」とも呼ばれます。これは縞模様がイノシシの子どもの模様に似ていることから呼ばれるようになったようです。成魚になるとこの縞模様は消えていきます。

イサキ釣りは難しい?
コマセ釣りの基本さえ覚えれば、初心者でもクーラー満タンを狙うことも可能な比較的簡単な釣りです。
ただ相手は生き物で活性の低い難しい状況もあるので、こちらの記事では1匹でも多く釣るための基礎知識とコツを紹介します。
船イサキの時期
基本的には産卵前や産卵シーズンの釣りやすいタイミングに出船時期を設定しているところが多いです。産卵期は地域にもよりますが初夏前後になるため、3月~6月ごろの春や初夏から解禁し、夏~秋ぐらいまで出船しています。
ただ岩礁帯周りのポイントでは一年中釣れるため、冬に出船したり年中狙う船宿も存在します。
イサキの旬の時期
産卵前は身の食味がよく、産卵期は多少身の味は落ちますが、この時期ならではの卵や白子が絶品です。また冬に入る前の落ちイサキとなるころは、体力をつけて越冬するために荒食いし、脂がしっかり乗ったおいしい季節となります。出船している船は限られますがこの時期に狙ってみるのもオススメです。

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イサキ釣りのタックル
アミエビやオキアミをコマセにした、天秤吹き流しでのイサキ釣りに最適な竿とリールを紹介します。
イサキ釣りの竿
イサキ釣りは積極的に誘いをかけるのが効果的なので、操作性の良い7:3調子のものを選ぶといいでしょう。またイサキは見た目は口が硬いように見えるものの、実際は意外と軟らかく、6:3の胴調子の竿も口切れを防ぐメリットがあります。長さは一日使っても疲れが少ない1.8mから2.4mぐらいのものがいいです。地域によって扱う仕掛けの長さも変わるためそれも考慮しましょう。

また食い渋りの状況などのモタレるようなアタリを察知できる感度の良い穂先も数を伸ばすには意外と重要になります。オモリ負荷は行く地域や船宿にもよるので、それに合わせて選びましょう。
代用竿はある?
船イサキ専用ロッドやコマセシャクリ用ロッドが最適ですが、錘負荷の合うものであればライトゲームロッドや他魚種用のロッドも幅広く使用できます。前述したような特徴のロッドが使いやすく、あまり硬すぎないものを選ぶといいです。
イサキ釣りのリール
リールは小型から中型の両軸リールを使います。そこまで深場を狙う釣りではないので手巻きリールでも大丈夫ですが、手返しの早さを考えると電動リールがあるといいでしょう。
道糸はPEライン2号程度を巻いていれば十分ですが、船宿で号数を統一していることがあるので確認が必要です。
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イサキ釣りの仕掛け
ハリスは1.5号~2号あたりを中心とした3本バリ仕掛けが基本となります。ハリスの太さは喰いに影響するので細い方がいいですが、良型のイサキはよく引くので、良型の多いポイントではハリス2号以上も検討しましょう。

また細いハリスを使い数も釣れる釣りなので仕掛けの消耗は激しいです、傷んだハリスはハリス切れでのバラシの心配がある他、透明度が落ちると食いが悪くなるという人もいます。複数セット用意しておき、傷んだものはどんどん交換しましょう。
イサキ釣りの天秤
天秤は感度のいいストレート型がオススメです。弓形でも問題なく使用はできますが、居食いするような小さいアタリしか出ない状況にストレート型は強いです。

クッションゴムは口切れ防止になり、大型イサキやマダイなどの外道が釣れた際に心強いためあったほうがいいです。カゴは上窓は3分の1開放、下窓全閉が基本の調整です。
イサキ釣りの針
針はチヌ針やムツ針といった空針にエサを付けて使われることが多いですが、エサを付けないウィリー針やカラー針を使う地域もあります。エサを付けなくても釣れる状況であれば手返しが非常にいいので、疑似針も持っていくといいでしょう。
イサキ釣りのエサ
イサキ釣りに使う付けエサとその特徴を紹介します。
オキアミ
コマセに合わせた定番のエサです。付け方は尾羽をハサミで切って、真っ直ぐになるように針を刺します。エサ持ちは悪く、エサ取りからの反応もいいので、他のエサや疑似針でアタる状況なら使わないのも一つの手です。

イカ短冊
エサ持ちが良く使いやすいエサです。付け方は細かくカットしたものをちょん掛けします。
切り身エサ
サンマやサバの切り身なども有効です。付け方はイカの短冊と同様に小さく切ってちょん掛けします。
バイオベイト
食いは生エサに劣る印象ですが、エサ持ちがよくエサ付けも簡単なので、バイオベイトでもアタリのある状況ではアドバンテージになります。こちらも数mm角に小さく切るなどしてちょん掛けします。
イサキの釣り方
釣り方自体はそんなに難しくはありません。基本の釣り方はカゴにコマセを半分ほどつめ、船長から指示されたタナに仕掛けを沈めます。このとき指示ダナの下限からプラスして、ハリスの長さ分も落とし、素早くハリス分を巻いてハリをタナ付近に馴染ませるとコマセと同調しやすくなります。

その後、竿をあおって海中でまきエサがパラパラと帯状になるイメージで振り出し、指示ダナ上限まで探りながらアタリを待ちます。アタリがなければ回収しコマセを詰め直しましょう。
イサキのタナ
船長の指示した群れのいるタナからブレてしまうと釣れなくなるのでタナ取りは非常に重要です。道糸のマーカーを見てきっちりと正確なタナをとりましょう。
イサキ釣りの誘い方
ただ待っているだけでも釣れないことはないですが、誘いが有効な場面は多いです。その日によって速い動きに反応したり、ゆっくりな動きに反応したりと、アタりやすいパターンが違うので色々と試してみましょう。

代表的なものではロッドを小さく鋭くシャクって数秒間ポーズを取るパターン。竿をゆっくり上げてゆっくりと下げていく「誘い上げ」「誘い下げ」も使われます。
アタリの出方
ポーズを入れた時や、誘い上げてる最中などにググっとアタリが出たらゆっくり竿を聞き上げる程度にアワセを入れます。ただ、食い渋り時などは居食いしてモタレるような微かなアタリしか出ないこともあるので、その際は少し竿先を下げて送り込んでから、クッと軽く竿先を上げてアワセたほうがいい場合もあります。
追い食いの狙い方
追い食いを狙うのも数を伸ばすコツとなります。基本は一匹掛かったらそのまま待つか、指示ダナ上限までゆっくり巻き上げてきます。

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イサキとのやり取り
ハリスも細く、大型イサキは引きも強いのでドラグは少し緩めに設定しておきましょう。掛かったら慎重にゆっくり巻き上げてきます。抜き上げ時のハリス切れもよくあるので、大型は無理せずタモ取りしましょう。
大型狙いのコツ
イサキには大きさに応じて(群れを形成するときに)序列があるようで、群れの上層に大型がいて、下層になるにつれて型が小さくなる傾向があります。大型イサキを狙いたい場合は、指示ダナ上限や少し上を狙うのも効果的です。

また大型イサキほど小さなアタリである事が多いので、見逃さないようにしましょう。
イサキの締め方
イサキは活き締め&血抜きをしたほうが美味しいです。締め方は目の後ろ側にある脳をナイフで突くか、エラからハサミで背骨を断ち切ります。
血抜きは両エラを切って、そのままエラを持ち水中で振ると血がよく抜けます。クーラーにはしっかり氷を入れて保冷して持ち帰りましょう。
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<週刊つりニュース関東版編集部/TSURINEWS編集部>
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