1月下旬、人生初となる海外遠征でスリランカに行ってきた。バラマンディ狙いの湖の釣りとGT狙いの海釣り、釣行日数計4日間たっぷり怪魚に挑んできた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 総合学園ヒューマンアカデミー福岡校・永井道弥)
1日目は湖でバラマンディ狙い
バラマンディはアカメ科の魚で、力強い引きとゲーム性から世界でとても人気のターゲットだ。午前8時30分、宿からすぐそばの湖の岸から15ftほどのボートで出船して釣り開始。
はじめに使用したのは6cmほどのミノーで、基本的にはジャークして止めての繰り返しで誘う。この止めの時間が非常に重要だと現地ガイドの方も言っていた。
レディフィッシュとメッキが連発
釣りを開始してから10分ほど経ったとき、ジャークして止めた瞬間に「ズズッ」と軽く引き込まれるアタリ。アワせると細長い魚体がジャンプしてルアーを器用に外して逃げてしまった。ガイドの方に聞いてみるとレディフィッシュだという。大きくはなかったが、釣ったことのない魚だったので悔やまれる。
気持ちを入れ替え同じように誘うと同じようなアタリ。無事フッキングし、意外とすんなり上がってきたのは、日本でも釣れるメッキと呼ばれるロウニンアジの幼魚。この湖は海と繋がっていて汽水湖なのでベイトなどを追ってきたのだろう。
その後少しコツをつかみ、テンポよく魚がバイトしてくる。すると2尾目がヒット。水中で細長い魚体が見えたので、ジャンプさせないように慎重に取り込む。

さらに探っていくと、サイズは小さいがなんとターポンまで姿を見せてくれた。その後もメッキとレディフィッシュがコンスタントに釣れたが、午前中は本命のバラマンディには出会えなかった。
ミノーをサイズアップして探る
昼食後、午後2時に釣り再開。午後からはミノーを8cmにサイズアップして探っていく。誘い方は同じだ。早速アタったがアワせられない。木の棒でルアーを叩かれているような感覚でとても難しい。
そこでリーダーを確認すると、魚の歯でザラザラになっている。あの一瞬のアタリでこのラインへのダメージはバラマンディに違いない。
その後も同じアタリが数回あったものの上手くアワせられず、時刻は終了間際の午後6時。明日は絶対に掛けようなどと考えていたとき、ついにその時がきた。
ついに68cmバラマンディをキャッチ
ジャークして止めた瞬間にロッドが絞り込まれる強烈なアタリ。反射的にアワせるとついにフッキングに成功。
走りが止まったあと、意外とすんなり寄せられたのでこのままランディングできるかと思った瞬間にまた強烈な走り。ドラグを締めていたら危なかった。激しい攻防の末、バラマンディも疲れたのか観念したようだ。最後まで油断しないよう慎重にランディング。初めて目にするバラマンディに手足が震える。赤い目に古代魚を思わせる大きなウロコ。うちわのような尾ビレ。多くの釣り人が虜になってしまう理由がわかった。
蘇生を行いながら写真撮影をしてリリース。サイズは68cmと中型だが、すばらしい魚に出会えて歓喜した。
シャローでマングローブジャック
2日目、同じく8時30ごろに出船。本日のメインターゲットはマングローブジャックと呼ばれるゴマフエダイとナイフフィッシュ。昨日とは止めの時間、ジャークの強さなどを変えて探る。エリアは少し流れがあり、岩が絡むシャローエリア。
キャストして誘うと早速ヒット。根に入ろうとする独特の引きで小さいながらも力強い。無事上がってきたのは、赤と深い緑のコントラストがきれいなマングローブジャックであった。
とてもかわいらしい顔をしているが歯が大きくアゴの力が強い。油断して噛まれると危険だ。
その後も同じエリアでマングローブジャックを数尾釣り、ナイフフィッシュ狙いに移行する。
夕マズメに64cmナイフフィッシュをゲット
このナイフフィッシュには苦戦した。呼吸をするため水面にくるのは見えるが、ルアーにまったく反応しない。夜行性であり、フィーディングタイム(捕食する時間帯)がとても短い。
日も傾きはじめポイントを移動。竹が打ち込んであり、ネットのようなものが張られている障害物があるエリア。ベイトフィッシュを追い込みやすく、フィーディングスポットになるという。早速キャストし誘う。ヒットしたが、上がってきたのはマングローブジャック。
そして障害物ギリギリにキャストが決まったとき、ロッドを押さえ込んでから引き込むようなアタリ。アワせるとトルクのあるゆっくりとした引き。竹に巻かれないよう慎重に寄せると、水中にギラギラと体高のある魚が見えた。その瞬間、真上に向かってジャンプ。1mほどジャンプしただろうか、やはりナイフフィッシュだ。慎重にやり取りをする。

でかい。独特な形と模様を見ていると引き込まれる。長さは64cm。ガイドの方曰く、1mオーバーもいるという。蘇生してリリースした。
キャスティングでGT狙い
3日目、狙うは圧倒的なパワーとスピードで人気のターゲットであるGT(ジャイアントトレバリー)。和名はロウニンアジ。今回はオフショアのキャスティングゲームでGTを狙う。ルアーは200mmから300mmくらいまでのポッパーやダイビングペンシルを使用。出船は少し遅めの午前9時。最初のポイントには10分ほどで到着。
初めてのGTで、ポッパーのイメージが強かったので、まずは220mmのEBISC220を使用。
3、4流しほど誘うが、反応がなかったので、いつもヒラマサキャスティングで使用している、サーフィッシュ220Fというダイビングペンシルに変更。誘い方はヒラマサを狙うときより初速早め、移動距離短めで力強くアクションさせる。
人生初の35kgGTに感動
すると2投目で同じようにアクションさせると、ルアーの左側から巨大なGTが体の半分以上を出し、ルアーめがけて突っ込んでくる。大口を開いてルアーをくわえるのが目視できたので魚が反転するタイミングでアワせた。
その直後に強烈な引き、18kgに設定してあるドラグがものすごい勢いで出されていく。水深は17m、深く潜られないようにロッドの角度を調節しながらファーストランをしのぐ。GTも疲れたのかファーストランのあとの抵抗はなかった。
しかし、あの平たい巨体は水を噛み強烈な重さで、リフトするのもひと苦労。そこに30度超えの気温がさらに体にムチを打つ。気を抜かずに最後の力を振り絞る。リーダーをガイドの方につかんでもらいランディング。
人生初となるGTを目の前に感動する。GTに晴れた空の青色が反射し美しい。ゲームフィッシングのターゲットであるGTは、リリースするためにホースで海水を口から流して呼吸させながら手早く計測や写真を撮りリリースをする。重さは35kg、釣り人生の中で最重量の魚になった。
リリース後にタックルのチェックをすると、フロントアイが曲がっているのと管ムロの35号が伸びていた。
ジギングでヒレナガカンパチ
GTを釣ってから20分ほどたち潮止まり。潮待ちの時間帯はジギングで釣りをする。水深100m前後の根周りを狙う。タックルはPEライン6号のベイトジギングタックルにジグはスイムライダーの300g。
しっかりジグを着底させ、ワンピッチジャークで誘う。ボトムから10mほどシャクったところで、たまにアタリがあるが潮止まりのためか、うまくフッキングしない。
そこでジグを少し軽くし、潮止まりのときに実績のあるウィグルライダーの225gに変更。1度目のアタリは物にできなかったが、少し誘いをスローにすると「ドンッ」と強烈なアタリ。フッキング直後、根に向かって一直線に走る。
ドラグを締め込みて走りを止め、とにかく巻いて根からの距離を広げる。根も無事に回避して残り30m。テンションを抜かないよう慎重にファイト。そして無事上がってきたのは良型のヒレナガカンパチ。

湖でナイフフィッシュ、バラマンディにターポンそれに先ほどのGTと、日本で釣れない魚を釣ってからのカンパチで少し新鮮だった。
10㎏GTを追釣
その後しばらくアタリがなくなりGTのポイントへ戻った。日も傾いてきて雰囲気は抜群。先ほど釣ったサーフィッシュ220Fを使用したが、反応がなかったため、ロデオ200にチェンジ。
すると早速サイズを落としたのが良かったのか1投目でヒット。50cmほどドラグを出されたが、今度はGTの頭をこちらに向け続け、即ランディング。上がってきたのは10kgジャスト。相変わらずの体高で迫力満点。
その後、夕マヅメに期待してキャストしたがGTからの反応はなく、GT初日終了となった。
サイズアップに挑む
初日のパターンを生かし最終日。GT2日目はサイズアップをと意気込んで挑んだが、そう甘くない。ダブルヒットなどがありとても楽しんだが、サイズアップとはならなかった。この日でスリランカを発つが、まだまだ釣り足りない。もっと残りたいと思えるとても楽しい釣行となった。
初めての海外で不安もあったが、釣りは世界共通の遊び。英語が話せなくても釣りを介してなら沢山のコミュニケーションも取れ、改めて釣りの楽しさ、すばらしさを感じることができた。また機会があれば海外へ釣りに行きたいと思う。
ぜひ皆さんも、すばらしい体験をしに違う世界へ一歩踏み出してみてはいかがだろうか。
<週刊つりニュース西部版 総合学園ヒューマンアカデミー福岡校・永井道弥/TSURINEWS編>
▼この釣り場についてスリランカ
この記事は『週刊つりニュース西部版』2020年4月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。