一年を通じて安定釣果で楽しませてくれるアジ。初心者が入門しやすく、ベテランにも人気は抜群だ。

各地でさまざまな釣り方があるが、今回は相模湾のビシアジに注目。そのタックルから釣り方のコツまでを徹底ガイドする。

(アイキャッチ画像提供:洋征丸)

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最近の釣果

神奈川・小坪の洋征丸では4月6日、39cmを頭に12~49尾。

【相模湾2020】ビシアジ釣り徹底攻略 コマセの振り方で釣果に差
良い釣果が続いている(提供:洋征丸)

ほか2.5kgのメダイ、イシナギ、ヒラメ、カイワリ、アマダイなど魅力的な土産が交じった。

【相模湾2020】ビシアジ釣り徹底攻略 コマセの振り方で釣果に差
イシナギまで(提供:洋征丸)

相模湾ビシアジ釣りのタックル

相模湾ビシアジ釣りで使用されるビシアジ釣りのタックルを解説。

ロッド

ビシアジ釣りに使用する竿は1.5~2.1mでオモリ負荷60~150号の軽量かつ柔軟なロッドがポピュラー。1.8m程度で専用調子の通称ビシ竿も定番だ。

【相模湾2020】ビシアジ釣り徹底攻略 コマセの振り方で釣果に差
ビシアジ用のタックル例(作図:週刊つりニュース関東版編集部)

メインに用いられる130号(一部ではさらに重たい150号)のビシをぶら下げた時に中間部から曲がり、船の揺れをほどよく吸収する柔軟性と、タナでコマセをピンポイントにまくことができるものが適切。

リール&ミチイト

狙う水深は100m以上になることが多いので、中型電動リールが一般的。ミチイトはPEライン3~4号を200~300m巻く。

相模湾ビシアジ釣りの仕掛け

天ビン

腕長30~40cmが基本。まいたコマセと仕掛けを同調させやすくするために20~30cmと短めを使用してもいい。

ビシ

前述の通り号数は130号が標準だが、ビシの大きさは海域ごとに規制があり、宿によってミンチのひき方が違う。ビシの網目とコマセのこまかさで出方が変わってしまうので、慣れないうちや初めての船宿ではビシを借りたり、船宿で購入することを勧める。

また、竿の硬さや潮の速さでもコマセの出方は変化する。目の大きさの異なるビシを用意して使い分けることで、釣果を伸ばすことも。

クッションゴム

天ビンの先から仕掛けの間に介す。バラシ防止や天ビンへの絡み防止の効果がある。柔軟性のあるソフトタイプを、仕掛けとのバランスを考慮して1.2~1.5mm径で20~30cmの長さのものを取り付けるのが好適。

ハリス

仕掛けの全長は2m前後。太さは2号を基本とし、食い渋り時には1.7号の細めを使用する。枝スは20~30cmセットする。巻き付いたり絡んだりするようなら、15cm前後の短めにするのもいい。深場を狙うためターゲットが中~大アジになる上に、ゲストが掛かることを配慮して3号までを勧める船宿もある。活性が高い場合は太めでも問題ない。

ハリ

2~3本がスタンダード。ムツ10~11号を使用する。ハリ色は金を基本に、サバが多い時は銀、濁り潮は緑、澄み潮なら赤系など使い分けても面白い。

大型がヒットするようならサイズを11~12号の大きめを使うとバラシの軽減になる。

エサ

付けエはイカを食紅で染めた通称・赤短(あかたん)が一般的。春先の濁り潮や水深100m以上の深場では、海中で光ると言われる青イソメが有効。前者はチョン掛けに、後者はチョン掛けまたは通し刺しにしてタラシは3cmほどにする。

ビシアジの釣り方

アジは「手軽な釣り物」と言われるが、コマセワーク次第で釣果は大きく変わる。コマセの量やタナの調整で、低活性のターゲットを攻略できるようになろう。

仕掛けの投入

リールのクラッチを切り、指でスプールを押さえてブレーキをかけ、余計なイトフケをださないよう注意。やや竿先にテンションがかかった状態で仕掛けを降下させるといい。

ビシ着底と同時にリールを巻き、潮が緩い場合は指示ダナの1.5mくらい下から、竿を立てて少しコマセを出し、指示ダナで止める。

コマセの振り方

指示ダナが下から2mなど底付近の場合は、着底した地点からコマセを出す。しかし、激しくゆすったり、竿を高く振り上げてしまったりすると出すぎてしまう。さらに、ビシが指示ダナの上まで舞い上がり、コマセの無駄使いになる。一度に大量にまくのではなく、切れめなく少しずつ出すことを心がける。まいたコマセの中を仕掛けが泳ぐようにイメージすることが大切。

【相模湾2020】ビシアジ釣り徹底攻略 コマセの振り方で釣果に差
コマセの振り方(作図:週刊つりニュース関東版編集部)

入れ食い時の振り方

入れ食い時には、短く鋭いひと振りで十分な集魚効果がある。余分なコマセを出していない分、アタるまでの時間は短くなり、手返しが早くなる。魚の寄りが悪い場合にも、枝スの間隔刻みでトントンと竿でビシを弾ませるだけで、十分なことが多い。

コマセを振って1分ほど待ってもアタリがない時は、一度着底させてタナを取り直す。それとともに再度コマセを振り、船下に魚を集めることを意識する。
待ち時間は、食いのいい時ほどインターバルを短く、食い渋り時には長くするなど食いに合わせた間を持たせるのがカギ。

アタリ~アワセ

ほとんどの場合、竿先にグングンと明確に反応がでる。分かりやすいが慌てずに対処しよう。

アタリがあったら竿をゆっくりと立てて、ハリ掛かりを確認してから巻き上げる。電動リールなら中速だが、引きが強いなら速度を落とす。おとなしい時は速めにして、速度を調整しながら竿先にかかるテンションを一定に保つとバラシを防げる。

一荷を狙う場合は一度、聞きアワセをする。しっかりとハリ掛かりしたことを確認してから、次を待ちたい。

バラシを防ぐ方法

アジは口の横が弱く、ハリ掛かりの場所によってはバラしやすい。

取り込みの際は、無理せずタモを使おう。良~大型の場合も同様。取り込み時に魚が横を向いていたら、ハリが口の横に掛かっていることが多いので注意。

ほかの対策としては上アゴにハリ掛かりさせること。一般的に、タナが低いと口の横に掛かりやすくなる。バラシが多いようなら、タナを30cm刻みで上げ、上アゴに掛かるように調整していく。

タナが合っていれば、下へと引き込むアタリになる。タナが低いとモコモコとした弱いアタリがでる。慣れてくるとすぐ判断できるようになるだろう。

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コツが分かれば子供でも(提供:洋征丸)

<週刊つりニュース関東版 編集部 /TSURINEWS編>

▼この釣り船について
洋征丸
出船場所:神奈川県逗子市小坪
この記事は『週刊つりニュース関東版』2020年4月17日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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