様々な美味なサカナを狙えるのが特徴の「海上釣り堀」。その中でも、人気の高いターゲットが高級魚「シマアジ」だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・桑原一幸)
高難易度のシマアジ
海上釣り堀にはマダイをはじめ青物やヒラメ、イシダイ、イシガキダイ、イサキなどさまざまな魚種が放流されている。釣り堀によって放流魚種は異なるが、多くの釣り堀で放流されているにもかかわらず、釣ることが難しいのがシマアジである。

なぜシマアジはなかなか釣れないのだろうか。
(1)海上釣り堀ではウキ釣りで狙う人が多いが、青物やマダイと比べてシマアジは落ちてくるエサによく反応するため、ウキ釣りの「エサをつり下げた状態」では釣れない。
(2)ウキ釣りでは狙う場合のタナをマダイのタナにセットすることが多く、そもそもエサのあるタナにシマアジがいない場合が多い。
(3)警戒心が強く、太い仕掛けやハリは見切られる。
(4)掛かってから走り回るため、他の釣り人とオマツリしてバレる。また口が軟らかく、口切れが発生しやすい。
などの要因が挙げられる。
シマアジ狙いのタックル
シマアジは中層付近を数匹の群れで回遊していることが多く、遊泳層が頻繁に上下するのでミャク釣りタックルを準備して臨んだ方がいい。またイケスのコーナーより中央付近にいることが多いので、3.6~4.5mの比較的長めの海上釣り堀探り釣りロッドや磯ザオが使いやすい。

シマアジは警戒心が強く違和感があるとエサを食い込まないこと、アタリが小さいことから、探り釣り専用ザオ以外のサオは、穂先をソリッドなどの軟らかいものに交換した方がいい。
リールはスピニングリールの2500番前後、またはクロダイ用片軸リールなど、ミチイトはPEライン0.8~1.5号、ナイロンラインであれば3号、オモリはなし~1号程度、ハリスは1.5~2.5号を1m程度取る。
シマアジ狙いのエサ
定番のダンゴ、アマエビ、シラサエビ、切り身、ムシエサなど幅広いエサにヒットする。マダイや青物狙いと同じく、エサはローテーションをこまめに行い、反応のあるエサを絞り込んでいく。

エサは小さい方が反応がいいことが多く、小さめを心がけてほしい。また、バラケタイプのダンゴエサが使用可能な釣り堀では効果が大きいことが多いため、準備を忘れないでほしい。
見えているシマアジの釣り方
基本的な狙い方(オモリを使用した場合)であるが、シマアジは同じ場所にとどまってはいないため、回遊してくるであろうポイントに仕掛けを入れて、タイミングを見てエサを落とし込んでいく。具体的には泳いでくる層よりやや上層で、エサをつるした状態にしてシマアジが回ってくるのを待つ。
シマアジが接近してきたら、オモリをエサの位置付近まで落として止める。するとハリスの長さ分エサが自然な形で沈んでいくので、この間に口を使わせるイメージとなり、オモリを使用しない場合はエサ自体の重さで仕掛けを沈めていくことになる。

またエサをつるしている状態でも普通に口を使うこともあるので、魚の反応を見ながら誘いを入れるなど工夫しよう。またエサについては、口にエサが入った瞬間にアワセを入れる必要があるため、釣り人側から見やすいエサからローテーションしていく。マルキユーのマダイイエロー、マダイスペシャル、アマエビは視認性が高く使いやすい。ダンゴを2種類をミックスするのも効果的だ。
見えていないシマアジの釣り方
シマアジが放流されているにもかかわらず浮いてこない場合は、シマアジの居場所を探すことからスタートする。まずエサが見えなくなる辺り(水深4m前後)からスタートし、1mぐらいの幅を意識して誘って落とし込んでいき、アタリがあったタナを重点的に狙うようにする。

1mごとにマークのあるラインを使用するか、カウンター付きリールを使用するなど、どの深さで反応があるのかを把握することが必要だ。
やり取りのコツ
掛かってから、取り込みが難しいのもシマアジの釣果が上がりづらい一因だ。ヒットしたシマアジは青物のように横走りする。せっかくヒットしたにもかかわらずモタモタしているとバレるだけでなく、他の人とオマツリし大惨事となることも。

また、アジ科の魚ということもあり口が軟らかく、強引なやり取りをすると口切れでバレてしまうからやっかいだ。取り込みのコツは、掛かったらできるだけ早く水面に浮かせること。掛かった瞬間はジギングの青物と同様に、一瞬動きが止まる場合が多い。そこで一気に巻き上げてしまえば比較的容易に取り込める。走られてしまった場合は周りの人に仕掛けを上げてもらい、無理のないやり取りを心がけたい。
最後になるが、シマアジはとてもおいしい魚であり、海上釣り堀ではぜひ狙って釣りたい魚だ。皆さんもシマアジ爆釣のためのポイントをマスターして、釣果アップにつなげていただきたい。
<週刊つりニュース中部版 APC・桑原一幸/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年5月8日号に掲載された記事を再編集したものになります。