いよいよシーズン本番となるサーフを中心とした投げキス釣り。今回は「キスは足で釣れ」の格言を実践するのに必要な、機動力を生かしてサーフを探り歩くための装備を紹介していこう。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・奥野太郎)

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投げキス釣りシーズン開幕

5月のゴールデンウィークを過ぎると、海水温も徐々に上がり、いよいよキスのシーズンが始まる。キス釣りはサオ1本に小型のクーラーボックス1つでできる、投げ釣りとしてはとてもフットワークが軽いスタイルだ。ちょい投げで入門し、あの「ブルブルッ!」という小気味いい感触にはまり、本格的に狙いたいと思うようになった人も少なくないだろう。

そこで今回は、これからシーズン本番となるサーフを中心とした「キスの引き釣り」に必要なタックルと、その選び方やオススメのアイテムなどをご紹介していこう。

【2020夏】サーフでの投げキス釣り 機動力重視の釣行スタイル紹介
夏のサーフの主役はキス( 提供:WEBライター・奥野太郎)

キスは足で釣れ

キス釣りの名言に「キスは足で釣れ」という言葉がある。キスは基本的に群れで行動する魚なので、同じ場所にこだわらず、その居場所を早く見つけることが好釣果につながるからだ。そのためには、持って歩く道具はなるべくシンプルかつコンパクトにまとめ、サオやリールも軽いほうが疲れにくい。また日差しが強くなってくる季節でもあるので服装やシューズにも気を配りたい。

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軽装で浜を探り歩こう(提供:WEBライター・奥野太郎)

投げキスタックル

サーフ(砂浜)で釣る場合、特に遠浅の場所ではキスがいるポイントまでが遠いことが多く飛距離が必要となってくるので、できればサオは3.85~4.05m、オモリ負荷20~30号クラスから、体格や体力に合ったものを選んで挑みたい。

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私が引き釣りに使用しているサオ(提供:WEBライター・奥野太郎)

リールも投げ専用のドラグ無しの軽量モデルが持ち疲れしにくく、ミチイトはPEライン0.8~1.2号くらいが扱いやすいだろう。投げ用のPEラインは200m巻きが一般的なので、スプールもそれに合ったものを選び、あとはテーパーライン(PEライン1~7号など)をつなげはOKだ。

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リールはドラグ無しの軽量専用モデルがお勧め(提供:WEBライター・奥野太郎)

この組み合わせで遠投が可能になるので、まずは100mを目標にしてみよう!

投げキスの天秤と仕掛け

テーパーラインにつなぐのはまず天秤で、その先に仕掛けとなる。上級者になると自作のフロート天秤を用いたり、仕掛けも多点掛けを狙って50連結で売られているものを好きなハリ数でカットして使ったりしているが、慣れるまでは一般的な固定式のKAISO天秤やデルナー天秤で、サオに適合した号数のものを選べば問題ない。

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固定式テンビン(提供:WEBライター・奥野太郎)

引き釣りの場合、天秤のアームの反発力が自動的にアワセになるので、遊動式はあまり使わないので購入の際はご注意を。

仕掛けは、釣れるキスのサイズに合わせてキスバリなら5~8号あたりで、2~5本仕様の市販仕掛けが手軽でオススメだ。

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手軽な市販仕掛け(提供:WEBライター・奥野太郎)

クーラーボックス

引き釣りに使うクーラーボックスを選ぶ時に大切なことは、1.大きさと軽さ、2.投入口の有無、3.オプション、4.保冷力だと考える。

夏のサーフにおいてもちろん保冷力は必要だが、保冷力の高いモデルは重たくなる上、値段も高くなる。それよりもフタの開閉数を少なくする方がより大切だ。

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冷気を逃がさないために投入口のあるタイプを選びたい(提供:WEBライター・奥野太郎)

頻繁に移動することを考えると10~15Lサイズで、なるべく冷気を逃がさないために魚の投入口があり、仕掛けやかえスプール、小物を入れるサイドボックスやサオ受け、エサ箱ホルダーやタオル掛けなどのオプションが選べるタイプが便利だ。

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クーラーはオプションで自分スタイルにカスタマイズ(提供:WEBライター・奥野太郎)

エサ箱と保存法

キスのエサには、イシゴカイ(ジャリメ)や、アオイソメ、チロリ(トウキョウスナメ)などを使用するが、いずれも暑さに弱いので、木製のエサ箱が適度な通気性と断熱効果があっていい。クーラーボックスのトレーにぴったり納まるのが理想だが、氷や保冷剤に直接当てないように気をつけること。

また保管用とは別に、ロッドスタンド(サオ受け)やクーラーボックスの壁面に取り付けて使うエサ付け用のエサ箱を用意し、少しずつ小出しすることで常にエサが元気よく動き、キスにアピールできる。

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エサ箱は通気性のいい木製がいい(提供:WEBライター・奥野太郎)

服装とシューズ

夏のサーフでの服装は、キャップにサングラス、フェイスガードまたはネックガード、長袖のシャツ(半袖のシャツならアームカバーを装着)そして通気性のいい長ズボンまたは、短パンにスパッツスタイルなど、とにかく「日除けと通気性」を重視した動きやすい服装を意識しよう。吸湿速乾性素材のものはベタつかず、着心地もいい。

また、焼けた砂は裸足ではキケンなので、フィッシングサンダルを履くか、最近では「サンドソックス」や「サーフウエドシューズ」なるものも販売されているので、そちらの方が歩きやすく砂も入りにくいのでストレスがない。

ちなみにブーツ(長靴)は防水性、安全性は間違いないが、炎天下では蒸れて仕方ないので不向きである。

そして、サーフと言えどもライフジャケットはできるだけ着用しよう。腰巻きタイプのものなら動きやすいので邪魔にはならない。キャスティング時の指先のケガ防止のため、フィンガープロテクターもお忘れなく。

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私のサーフキャスティングスタイル(提供:WEBライター・奥野太郎)

収納の工夫

ポイントの移動が多い釣りなので、とにかく荷物はコンパクトにまとめたい。私の場合、クーラーボックスの両側にサイドボックスを取り付けて仕掛けや道具を収納している。

他にも伸びるロッドスタンドやタオル掛け、シンカーホルダーにエサ箱のフック受けを装着しているので、ひと担ぎで移動が可能だ。

また着替えのシャツやレインコート、食料、予備のリールなど荷物が多い時はシンプルな造りの防水リュックを背負うこともある。

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荷物が多い時はリュックも活用(提供:WEBライター・奥野太郎)

オススメ便利グッズ

一通り必要なものをご説明したが、最後に私が工夫してる点や使用しているオススメ便利グッズをご紹介したい。

1.自作保冷シート

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自作保冷シート(提供:WEBライター・奥野太郎)

ホームセンターなどで売られているお風呂の保温シート(アルミ蒸着タイプ)をクーラーボックスの底の大きさに合わせてカットして敷くと、地面からの熱をやわらげキズ防止にも役立つ。これを2枚作ってもうひとつを落としブタのように上から被せれば、長時間の移動時も保冷効果がアップする。

2.アルコール除菌ウェットティッシュ

100均で販売されてるもので、これがとても便利。汚れた手にはもちろん、汗をかいた時に顔や首筋を拭くと気持ちがいい。厚手がポイント。(※アルコールの刺激に弱い方は要注意)

3.マイクロファイバークロス

これも100均で手に入る。柔らかくて手触りがよく、汚れ落ちもいいので洗って繰り返し使えて経済的。乾きも早い。

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除菌ウエットティッシュとマイクロファイバークロス(提供:WEBライター・奥野太郎)

4.サンドポール

砂に刺して使うサオ受け。

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サンドポール(提供:WEBライター・奥野太郎)

長さ111cm重さ200gと軽量な上価格も数百円と安価。クーラーボックスに付けたものと別に用意すると、キスを外す時に便利で、ちょっとした荷物掛けにもなる。

5.石粉

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石粉(提供:WEBライター・奥野太郎)

エサ付け時の滑り止め。直接エサに掛けると弱る原因になるので、指先につけて使おう。

6.パワーミニイソメ

生分解性の素材で作られた疑似エサ。

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パワーミニイソメ(提供:WEBライター・奥野太郎)

保存性もよく案外釣れるので、うっかりエサを使いきってしまった時の予備エサとして忍ばせておくと安心だ。

まとめ

今回は釣り方というより、主に装備についてご説明させて頂いたが、趣味である釣りは、自分で色々と工夫することで楽しさが倍増するし、釣った旬の魚は格別においしいものだ。

夏のサーフでの釣りは、こまめに水分補給し、熱中症には十分気をつけること。そしていつまでも釣りが楽しめるよう、立ち入り禁止の場所には入らない。ゴミは必ず持ち帰える。といったマナーをしっかり守ろう。

<奥野太郎/TSURINEWS・WEBライター>

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