サビキから深海釣りまで様々な釣りに使用される胴突き仕掛け。実は作り方によっては簡単にできてしまう。

今回は、『8の字結び』でエダスを接続方法を解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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胴突き仕掛けの特徴

胴突き仕掛けは上部がリールから出る道糸への接続部分、最下部がオモリになっていて、その途中にある1本の幹糸からエダス、枝バリが出ているスタイルだ。

特徴としては、シンプルな1本バリからサビキのような5、6本と増やす事もでき、深海釣りで使用するような10本以上の枝バリもOKだ。

エダスの出し方

この胴突き仕掛けで幹糸からエダスを出す方法はいくつかある。船のメバル釣りなどでは回転ビーズと呼ばれるプラスチックの小さな玉を利用したり、深海釣りなどでは三ツ又サルカンと呼ばれる、サルカンが3方に付いているアイテムを使う。また、マダイ釣りなどでは、結び目を作らないよう「編み付け」と言う方法でエダスを出す事もある。

しかし、いずれもその接続アイテムを揃えたり、編み付けのように取り付け方がややこしかったりと、釣りに慣れた人向きの方法である事が多い。

そこで、今回はエダスの出し方の中でもアイテムを使うことなく手軽に結んで胴突きタイプの仕掛けを作る方法として、8の字結びを使ってのエダス接続を紹介したい。

8の字結び

まずは、胴突き仕掛けはもちろん、いろいろな釣りの仕掛けに便利な8の字結びを習得しよう。今回は分かりやすいように色の違う2本のヒモで結び方をやってみた。

1.幹糸とエダスを沿わせる

下の写真ではグレーのヒモが幹糸、白いヒモがエダスと見立てている。ますは幹糸とエダスを沿わせる。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
結ぶ糸を2本添わせる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

2.輪を作る

幹糸とエダスをまとめて輪を作る。できるだけ2本の糸がバラけないように注意する。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
2本揃えて輪を作る(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

3.クロスした部分をもう1回ひねる

輪を作った時にクロスさせた部分を押さえて、輪っかをひねり、もう1回クロスさせる。逆にひねると輪が解消されるのですぐに分かるはず。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
輪の部分をさらにひねる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

4.輪の中に幹糸とエダスを通す

手順3でできた輪の中に幹糸とエダスをまとめて通す。この時も輪が崩れたり、糸がバラけたりしないように指で押さえつつ作業しよう。

輪の中に糸を通したら、少しだけ引っ張ってほどけないようにして、輪から手を離して見てみよう。何となく結び目が「8」の字を描いて居れば成功だ。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
成功例の形(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

失敗例としては追加でひねった方向と糸の通す方向を間違う時がある。糸を輪に通して少し引っ張った状態で確認すると、下の写真のように普通の真結びになっているのですぐに分かる。この状態で気付けばほどき直せる。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
真結びになれば失敗だ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

手順5.ゆっくりと締め込む

8の字の結び方ができたら、糸を両側に引っ張ってゆっくりと締め込む。この時は添えられた2本の糸をまとめて持ち、ズレないように一緒に引っ張る事。これで8の字結びは完成だ。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
8の字結びが完成(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

8の字結びの応用

8の字結びの特徴は真結びとは違って1回ひねる事で、糸が滑らずに締め込まれる点。そこで、仕掛けや道糸の先を折り返して2本の糸にし、折り返した2本の糸を上記の結び方に当てはめてみると、下の写真のように糸の先に輪ができる。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
8の字結びでできたチチワ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

これを「チチワ」と呼んで、実はサルカンに結んだり、スナップを引っ掛けるなど、非常に役立つ。

下の写真はハサミの取っ手の部分を、サルカンの環に見立ててチチワを通して連結してみた。これで糸とサルカンの接続は完璧だ。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
環とチチワの接続(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

エダス取り付けの注意点

幹糸にエダスを取り付けるために8の字結びを利用すれば、ほかにアイテムなども使用せずに仕掛けができる。胴突き仕掛けのエダスを付ける場合はいくつか注意点がある。

1.幹糸の長さを決めておく

8の字結びをする際には、輪の中に端糸を通す必要があるので、作りたい胴突き仕掛けの長さにあらかじめ幹糸をカットしておく必要がある。実際に作りたい仕掛けの長さよりも幹糸は少し長めにカットしておくと後で調整がきく。

ハリ数が多い場合は、エダスの間隔を予定よりも広くしてしまうと幹糸の長さが足りなくなる場合もあるので、事前にエダスの数や間隔などを考慮して、幹糸の長さを決定する。

2.糸の方向

胴突き仕掛けの場合、エダスの先にはハリが付いている。そして、幹糸も上部(竿側)とオモリ側があり、仕掛けを作る際には方向を間違わないように注意したい。

エダスの先にはハリが結ばれていると仮定すると、方向は幹糸の上部(道糸との接続方向)とハリの付いている方向を合わせる事。つまり、幹糸を立てた状態で、ハリの付いているハリスが上に向くようにするのが一般的だ。

理由は、水中ではハリやエサの重さで下へと沈下しようとするのを、ハリスの張りで止め、外に開くような形にしたいから。ハリの方向が下を向くと、幹糸に沿って垂れ下がってしまうので絡むなどの不都合も生まれてくる。

3.複数エダスの取り付け順

エダスを複数出す時の注意点としては、取り付けていく順番だ。

基本としては上部のハリから取り付けると簡単だ。まず1番上のエダスを取り付ける。この時にハリを結んでない方のハリスと下部に当たる幹糸を8の字の輪を通す端糸にする事で、ハリを輪に通さなくてもよくなる。

方向が明確になるように、エダスを取り付ける前に、幹糸の一番上に8の字結びでチチワを作っておき、サルカンを取り付けておけば良いだろう。

そうして最初のエダスを取り付けたら、次は上から2番目、3番目と同じように8の字結びで取り付けていく。これを逆にしてしまうと、端糸を輪に通す時、事前に取り付けたエダス、ハリごと輪に通さなくてはならなくなり、ハリ数が増えるほどに絡むなどのトラブルだらけになってしまう。

釣りの『仕掛け』を自作しよう:胴突き 『8の字結び』でエダス接続
エダスの取り付け順(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

予定のエダスの数を取り付けたら、最後はオモリを繋げるスナップに結ぶ。この時もチチワを利用すると楽ちんだ。このように胴突き仕掛けはハリを結ぶ以外に、8の字結びだけで自作できてしまう。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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