新型コロナウイルス感染拡大防止のため緊急事態宣言が出されている。本来ならばあちこちへ釣行したいところだが、残念ながら今は「ステイホーム」。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 麻生雅彦)
トップと足を装着
前回は、「道具紹介&ボディ作成編」をお届けした。今回は、引き続き研ぎ出しと塗装について解説していこう。
まずはウキのトップと足を装着する。
木工用接着剤を塗る
径7mmのカヤボディーをV字にカットした部分に木工用接着剤をつける(写真1)。

そこにトップ、足を約2~3cmほどボディーに差し込む。この差し込む寸法が短いと強度が弱くなる。
木綿糸を巻き絞る
差し込んだトップを木綿糸で、ボディー中央の太い部分から先端の細い部分へと巻きつけて絞り込む(写真2)。

竹足に段差をつける
竹足の場合は差し込む部分を細く削って段差をつけると、ボディーが絞りやりやすい(写真3)。

ただし、竹を深く削ると作業途中や釣りの途中で折れやすくなるので注意。ウキ止めゴムに差しやすいように足の先端は、約100番の紙ヤスリで細く削り、240番くらいで先端を細くして形を整える。
センターが取れているか確認
接着しやすいように、トップと足の挿入部分はヤスリ掛けをしてキズを付けるといい。ボンドが固まる前にトップと足がボディーの中心(センター)に真っすぐ差し込まれているか、回転させるなどして確認する(写真4)。

1~2日間乾燥
センターが取れたら。その後1~2日乾燥させる(写真5)。

肩と足の絞り作業とセンターをとる工程が最大の難関。便利なウキ成型器なども販売されているので、この作業が苦手な人は利用するといい。
パイプトップの場合は、ボディーにグラスムク素材を差し込んで芯として1~3cmほど頭を出して絞る。最後にパイプトップを差して瞬間接着剤で固める。
ヤスリで整える
木綿糸を外した時に、慣れないと絞った部分に必ず隙間ができている。そこは木工用接着剤で隙間を埋めて、さらに乾燥させたのちに紙ヤスリで整形する(写真6)。

ここでようやくウキらしい形になり、心がウキウキする瞬間だ。
ボディーの塗装
ボディーの塗装はカヤ素材の風合いを活かすクリアー塗装や、下地と表面に違う色を重ねてサンドペーパーで磨く研ぎ出し塗装などがある。

ボディーへの下地塗り
今回は研ぎ出し塗装に挑戦する。まずはカシューの黒色を薄め液で希して、平筆でボディーの下地を塗っていく(写真7)。

塗ったあとは、塗料が剥がれずにツヤがだせる耐水ペーパーで磨く。この時にマスキングテープをトップと足の付け根に巻いておくと、塗料がはみ出しても安心。
ちなみに塗料は揮発性のため、強い臭いが発生する。ベランダや屋外での作業が理想だが、室内の場合は必ず窓を開けて換気しながら作業しよう。
耐水ペーパーで磨く
下地を塗ったら一日乾燥させて、耐水ペーパー400~800番で磨く(写真8)。

オケに張った水にこまめに浸しながら、力を入れないで磨く。光沢を落としたらさらに一日乾燥させて、再び下地を重ね塗りして乾燥させて、また耐水ペーパーで軽く磨く。
研ぎ出し
黒色の下地に朱色を上塗りして乾燥させて、耐水ペーパーで磨くと、下地の黒色が微妙に現れてくる。ここで磨き過ぎないように注意しながら、好みの色合いを出そう(写真9)。

研ぎ出しは、色の選択と塗りの厚み、ヤスリを掛ける力加減で同じ柄が2つと出来ない。いわばこの世に唯一無二の芸術品、これぞ自己満足の極みだ。
個人的にはこの工程がいちばん楽しい。
次号では、完成までの仕上げ工程を紹介。
<週刊つりニュース関東版 麻生雅彦/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2020年5月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。