自宅にいる時間が増えた。そんな状況下で比例して増えたのがキッチンに立つことだ。

今回は、マス類の料理の魅力をお伝えしたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

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華麗なるマス料理を紹介

通勤時間がなく、19時すぎにはテレワークを終え、その後はキッチンドリンカーと化す。料理は趣味の一つでもあり、現状が与えてくれた唯一の楽しみだ。自宅のなかで、妻が手を出さない聖域がある。それは、釣魚専用の冷凍庫。

この時期は、芦ノ湖などで釣ったトラウト類が入っている。ニジマスにブラウントラウト、イワナやサクラマス、コーホーサーモン、そしてヒメマス。

種類別の下処理方法

持ち帰るのは、原則50cm以上、ヒメマスは30cm超と決めている。いずれもサケ科の魚だが、調理をするうえで、それぞれ特有の違いがある。

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三枚に下ろして冷凍する(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

ニジマスなどの下処理

ニジマス、ブラウン、イワナは強いヌメリがあり、特に後者2魚種は臭いが強く、それが肉に付くと食味は落ちる。ヌメリを十分取り去ったあと、三枚に下して冷凍。

サクラマスなどの下処理

一方、サクラマスとコーホーサーモンのような銀毛化した魚は、死後の吸水性、死後硬直が解けるのが早い。水を吸収すると、当然水っぽくなり、身は軟らかくなる。

生きているうちに、血抜きと神経締めをして、水から離して持ち帰る。そのあと、三枚に下して真空パックして冷凍。

ヒメマスの下処理

ヒメマスも同様に、死ぬ前に血抜きして、ワタを出しておく。血抜きは、魚の臭みを抑え、腐敗を遅らせる。神経締めは、死後硬直を遅らせ、鮮度が長持ちする。そのため、生食する際の食味がとてもいい。

アラの食べかた

三枚に下した骨周りやカマ、ハラスは、塩焼きにすると最高にうまい。

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ニジマスの骨周りの塩焼き(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

素焼きにして身を解し、酒と塩で味付けして鮭フレークにすると長持ちする。ネギを加え、味噌、正油、みりんで味を調えると鮭みそになる。ご飯のお供には最高だ。さらに、頭部は酢漬けし、薄くスライスして大根や人参と和えて氷頭なますがいい。

生食に適した種類

生食に適しているのは、ニジマス、サクラマス、コーホーサーモン。軟らかな肉質のイメージがあるが、釣れてすぐに神経締めして持ち帰れば、筋肉質なコリコリした食感が味わえる。とくにニジマスはお勧め。

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ニジマスの刺身(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

コーホーサーモンは甘みが強く、キッチンペーパーで包んで、数日冷蔵庫で熟成させると、さらに甘みが増す。

秋の楽しみ

秋には抱卵した個体が釣れるので、すじこを解して正油漬けにすれば、親子丼、塩焼きを加えれば三色丼を味わえる。

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コーホーサーモンの白子とすじこ(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

サクラマスは、酢漬けして押し寿司にすると最高だ。ユッケもいい。大型のヒメマスならマリネもうまい。

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ヒメマスのマリネ(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

小型コーホーなどのお勧めレシピ

また、小型のコーホーサーモンやヒメマスは塩水に漬けて、燻製や天日干しにしても◎。冷凍した魚は、基本的に火を通す。あらかじめ短冊に切っておけばルイベもいい。

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コーホーサーモンの天日干し(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

調理方法は、塩焼き、天ぷらにフライ、唐揚げや鮭飯。

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ヒメマスの塩焼き(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

ムニエル、サーモンステーキとホイル焼き、ちゃんちゃん焼きに石狩汁。

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ちゃんちゃん焼き(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

南蛮漬けや酢豚風、甘酢あんかけ、クリーム煮、鮭炒飯。

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コーホーサーモンの酢豚風(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

和・洋・中と何でもありだ。

皮やウロコも食す

サクラマスやコーホーサーモンは皮やウロコも美味しいので、皮を引かずに調理する。

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サクラマスのフライ(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

天ぷらやフライなど、シンプルな調理法がよく、生食より甘みが増す。

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サクラマスの天ぷら(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

ぜいたくだが、ハンバーグやピザ、パスタにしても合う。

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イワナのハンバーグ(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

最後に

釣り人のなかには、仕掛けは市販品、釣った魚は家族任せの人がいる。しかし、仕掛け作りから実釣、釣魚の保存に料理、そして食することこそが釣りの醍醐味だと私は思っている。

釣魚を様々アレンジして料理するのは、釣り人だけの特権。このご時世なので時間はたくさんある。釣魚レシピを増やすチャンスだ。

<週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2020年6月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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