親アオリイカのシーズンは春というのが一般的ですが、エリアによってはまだまだ狙えるシーズンです。今回は秋の新子の動きを観察して、そこから導き出した私流のエギングメソッドを紹介したいと思います。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・賀川正志)
親アオリは夏が狙い時?
まず、アオリイカの一生は一年とされています。親イカは春から夏にかけて産卵を終えると、生涯を終えます。そして、その時産み付けられた卵がかえり、秋には子供(新子)が釣れだします。
初夏、水温が18度以上に上がってきたら、アオリイカが狙えるシーズンに突入です。親アオリは春からと言いますが、水温が低いと正直釣れにくいです。18度ぐらいからが活性がよくなります。私が住んでる徳島では、8月半ばまで狙えます。よく似た環境の地域では、同じように釣れるかもしれません。

サイトフィッシングで習性を観察
夏の親イカを釣るために初心者がすべきことは、秋に新子アオリイカを見ながら釣ることです。ボトムからダートアクションで表層まで連れてくれば、観察できます。アオリがどのようにエギを襲うのか?どのタイミングで離れ、寄ってくるのか?を見るのです。アオリの習性は親イカになってもあまりかわりません。親イカ攻略の糸口となるはずです。
とはいえ今は夏の親イカシーズン。

新子の動きから分かったアオリの習性
さて、秋の新子アオリイカをよく観察すると、ウブな子供のときでもエギに寄ってはくるけれど触らない。ステイさせれば触ってきたりするし、サスペンドさせているとアオリは見てるだけだが、ラインをフリーにして落とすと、エギが逃げると思うのかやる気を出すといった習性が見て取れます。また、一度水面まで連れてくれば、いったんエギを回収して再度同じ所にキャストすると姿が見えなくなっていてもどこからかスーと寄ってきます。着水音&エギのフォールを見つけてから寄ってくるのでしょうか?
アオリイカの釣り方
秋の新子観察から私が導き出した釣り方を紹介します。私は以下のことを新子、親イカ関係なく実践しています。
誘い
イカが寄ってきたのを確認してから大きなダートアクションをさせると、エギが離れると追うが、近寄りすぎると逃げるのに気が付きました。そんなことから大きなダートアクションは3回、5回と奇数回数で誘っています。
速い連続シャクリでは手前にエギが寄ってきます。これもアオリからすると逃げる行為。これでエギを追わせ、最後はエギが移動しない2回シャクリでヒットに持ち込むのが常套手段です。
この2回シャクリも一回目はエギの頭を少し上に向け、二回目で跳ね上げるだけ。それもビューンビューンではなく、ティップだけでコンコンとシャクるだけです。
これらは着水からボトムまでのフォールでアオリが見ていると仮定しての誘いで、沖へ遠投する場合は実際イカがエギを見ているのかどうかは分かりません。なので、最初は連続シャクリでエギをアピール。その後、寄ってきたんじゃないかと空想して、乗せの誘いの繰り返し行ないます。
アタリ
アクション後、アオリの触手がエギに触るのは3~5秒の間です。活性がよければそのまま引っ張っていくのでラインにアタリが出て、その後ロッドに感じるようになります。
しかし、チョンと触るだけだとラインには変化は出ません。これはラインが引っ張られるまでにタイムラグが何秒かある(イカがエギを持って何mか引っ張ってはじめてラインに反応する)ためで、チョンと触るタイミングで掛けにいく必要があります。触るだけのアオリを、アクションの終わり3~5秒で掛けるイメージです!
ちなみに、よく「誘う際にいろいろなシャクり方を織り交ぜるのはなぜ」と聞かれます。これは、ネコをじらして飛びつかすのと同じと考えています。

釣れる人と釣れない人の差
ただ、実際同じようにやってもらっても、釣れる人と釣れない人がいるのも事実です。この原因は、シャクリ終わった後のエギの姿勢とドラグ設定にあると考えられます。
ライン巻き取り過ぎ
エギを跳ね上げたりダートアクションをさせたりするのは、アオリイカに興味を持たせ、寄せる行為です。そして、エギの沈下するフォール姿勢で乗せるわけですが、アクションの後にラインを巻き取り過ぎると、沈下姿勢に入った時にエギの頭が引っ張られて動いてしまいます。こうなるとイカに違和感を与え、見切られてしまいます。
活性がいいときは何でも乗ってきますが、このちょっとした行為が致命的なのです。風が強い時なども、PEラインが風を受けて同じ状態になるので注意しましょう。
リールのドラグ調整
ドラグをジィージィーと滑らせながらロッドをシャクっている方をよく見かけます。
新子が相手の場合に、触手切れを防ぐために緩く設定しているのは分かりますが、ある程度の大きさのアオリを釣る場合には、カンナの食い込みが浅く外れやすくなります。それ以前にシャクった力がエギにしっかりと伝達されず、エギが動いていないなんてことも考えられます。シーズンにあったドラグ調整をしてください。

親イカはこの時期が釣れやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、新子の時期になりましたら見ながら観察して自分なりにエギの動かしかたを工夫すると、釣り方のバリエーションが増えますよ!
<賀川正志/TSURINEWS・WEBライター>