いろいろなゲストのアタリが多いのも特徴のチョイ投げ釣り。とはいえ、釣っても食べられないような小型ゲストはできれば避けたいのも実情だろう。

そこで今回はチョイ投げのシロギス釣りにおいての定番ゲスト5種の「避け方」を伝授。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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チョイ投げの特徴

波止や身近な砂浜から手軽にできるのがチョイ投げ釣りだ。チョイ投げはその名の通り、仕掛けを軽く投げる程度の釣りで、仕掛けを投げる距離としては20~30m、遠くへ投げても50~60mといったところ。なので、比較的沿岸の浅いエリアに潜む魚がターゲットになる。

釣り方もライトなタックルで、軽い仕掛けを投げて引きずったり、竿を置いてアタリを待つだけなので、お子さんや女性にも楽しめ、ファミリーでの釣りにオススメの釣行スタイルだ。

チョイ投げ釣りの代表的な5種のゲスト魚を避ける方法 本命釣果にも直結
ライトなタックルで手軽にできる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

そんな中でも夏場にチョイ投げで狙える代表的なターゲットはシロギスだろう。アタリも爽快で群れに当たると数も釣れ、食べても天ぷらやフライ他、いろいろな料理ができて家族にも喜ばれる。

チョイ投げで釣れる定番ゲスト

キスを狙っていても、チョイ投げではいろいろなゲストが交じることが多々ある。チョイ投げで釣れるゲストの定番としては、地方によってもかわるが、メゴチ、フグ、イトヒキハゼ、ヒイラギ、ハゼの仲間、ハオコゼなどが挙げられる。

釣れる魚種は海底の状況によりやや傾向があり、完全な砂底ならメゴチ、フグ、イトヒキハゼなど、少し根が近いとフグ、チャリコ(マダイの幼魚)、砂泥底ならヒイラギやイトヒキハゼなどがヒットする。

ゲストを釣るデメリット

魚種多彩に楽しめるのは良いことなのだが、あまり食べるには忍びないような小さなゲストフィッシュがよく交じるのがチョイ投げだ。とにかく軽い仕掛けでハリも小さく繊細に釣るので、どうしても小型の魚まで掛かってしまう。

逆にそれらを避けて大きなハリを使うと本命のシロギスまでハリ掛かりしない事態になってしまう。特にシロギスに的を絞っての釣行の場合、ゲストを釣ってしまうといちいち仕掛けを回収して、ハリを外して、リリースすることで時間もロスするし、エサもどんどん減ってしまう。できれば効率よくシロギスだけを釣り上げたいものだ。

種類別ゲストの避け方

魚のエサの取り方は、その魚種によって様々だ。それらの習性を利用することである程度、ゲストを避けてキスを釣ることができる。「キス釣りに行ったけれど、メゴチやチャリコばかりが釣れてキスが釣れなかった」なんて、経験のある人にはぜひ、参考にしていただきたい。

ただし、これはあくまでもチョイ投げのキス釣り好きな筆者が、経験上、実践してきてて一応効果を上げている方法なので、常に間違いなくゲストを避けられる訳ではないので、あくまでも参考に!

メゴチ

基本的に砂底や砂泥底に多く、シロギスと同じような場所にいることも多いので、メゴチが釣れる場所はシロギスにも好ポイントと見て良い。メゴチは海底に潜んでいて、海底でズルズルと魚体を引きずるように移動する。普段は海底から離れて中層を泳ぎ回るような魚ではない。

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メゴチはシロギス釣りの定番ゲスト(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

エサの食べ方

エサを見つけるとゆっくりと寄ってきてパクリと食べる。エサを食べる時はかなりどん欲で、食べ逃げの少ない魚である。ということは、アタリがあればかなりの確率でハリ掛かりする。

実は食べてみると、シロギスに匹敵する美味しさであり、サイズが良ければキス同様持ち帰って天ぷらにすると絶品だ。ただ、頭の大きさのわりに身がスリムなので、頭と内臓、骨を取ってしまうとかなり身のボリュームがなくなるため、小さなメゴチでは食べる所がごく少なくなってしまう。

粘液とトゲが難点

また、釣り上げた時に、粘りのある粘液を体表面から出すので、手もタオルもヌルヌルになってしまう他、ヌルヌル滑るのを押さえようとしてエラブタの鋭いトゲで指を怪我することもあるのが難点だ。

メゴチの避け方

シロギス釣りの定番ゲストのため、古くからメゴチを避ける方法はいろいろな人が実践している。代表的な釣り方が「引きずる速度を速くする」こと。前述のようにエサにゆっくりと近づいてくるので、エサの動きを速めることで食わせないようにできる。

ただし、速く引きずりすぎると、シロギスまで食えなくなるので、メゴチは食えず、シロギスは食える速度を試していくと良い。

フグ

チョイ投げで狙う波止や砂浜辺りで釣れるフグはほとんどがクサフグだろう。大きくても13、14cm程度までの大きさ。砂底、砂泥底、根回り、捨て石周りなど至る所に潜んでいるので、フグが大量に発生すると手の付けようがない。

チョイ投げ釣りの代表的な5種のゲスト魚を避ける方法 本命釣果にも直結
歯が鋭いフグ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

エサを見つけるとかなりしつこく、引きずってくるとどんどん付いてきながらエサを食いあさる。また、歯が鋭いのでハリスを切ったり、釣り上げてハリを外す時に噛まれると大変である。

しつこくエサを食べる

口自体、小さいのでハリ掛かりするまでしつこく、コン、ココンと突くようなアタリが続くので、シロギスとは区別できる。そんなアタリが続くのに、掛からない場合は仕掛けを素早く数m動かして、フグの視界からエサを消してしまうのが手っ取り早い。

ただ、いろいろな所に潜むといっても、案外、その時点で活発にエサを食っている場所がある程度決まっていて、ちょっと投げる方向をかえるだけでまったく反応がなくなることも多い。

フグの避け方

しつこい食い方をするフグだが、メゴチ同様、速いエサの動きではなかなかハリまで食えないらしく、掛かってくることは珍しい。何かの拍子に仕掛けを止めると掛かってくる。なので、フグが多い時には投げる方向をかえたり、少し場所を移動、仕掛けを速めに動かしてみるなどの対策が有効だ。

チャリコ(小ダイ)

夏場から秋にかけて頻繁に掛かってくることがあるチャリコ。親は高級魚のマダイなのだが、チョイ投げで釣れるチャリコは10cmに満たない小型が多いので食べる部分もほとんどなくリリースすることがほとんどだ。

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マダイだが小さすぎる?(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ゴツゴツッとアタリがあったと思った瞬間、小さな頭を振るようなコココンと比較的強い引きが伝わってくる。シロギス用のハリならすぐに口に入れてハリ掛かりしてしまうのが厄介な点だろう。

釣り場を移動するのが得策

チャリコの場合も、比較的仕掛けを速く動かすことで避けられる時もあるが、数が多い時には釣り座から狙える範囲一面に群れでいることもあり、そうなると避けても避けてもその先で食ってくる。こうなると、大きく釣り場を移動するのが手っ取り早い。

チャリコは完全な砂底や砂泥底よりも、少し障害物や石などが入っている場所の周辺に潜んでいることも多く、チャリコが釣れすぎるポイントは、シロギスの魚影が薄いことも多々あるので、筆者の場合、初めての釣り場でチャリコが連発すると、すぐに場所を移動する。

イトヒキハゼ

筆者の経験ではイトヒキハゼとシロギスのポイントは非常に重なる場合が多い。イトヒキハゼも比較的動きが遅く、掛けないようにするには速い仕掛けの動きで避けることができる。

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テカミとも呼ばれるイトヒキハゼ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

シロギスと同じ場所で釣れるのだが、時間によって食い方がかわる。たとえば、早朝のシロギスの時合いを迎えている頃には、イトヒキハゼはほとんど釣れない。シロギスの時合いが終了して、食いが悪くなると登場し始めるのがイトヒキハゼだ。

シロギスの時合い外に釣れる

日中であまりシロギスが釣れない時間帯や潮止まり時などでもイトヒキハゼはずっと釣れ続く傾向にある。ただ、シロギスの食いが悪い時間帯なので、どうしてもゆっくり探ってしまい結果としてイトヒキハゼばかり……となることが多い。イトヒキハゼが多い時は、シロギスがいても食わない時間帯なのだ。

ちなみに筆者は、日中にイトヒキハゼが釣れる場所は、かなりの確率で早朝の時合いにはシロギスがよく釣れる場所としての指標にしている。

ヒイラギ

少し水深のある港湾部などに群れで溜まっているのがヒイラギだ。食べても美味しい魚なのだが、メゴチ同様、体表面から大量の粘液を出すので取り扱いがイヤなのと、ヒレのトゲも鋭いので厄介だ。

砂泥底に多く、群れで小さな範囲に溜まっていることが多い。口先が伸びて、エサを吸い込むように食べるので、シロギス用の小バリは一瞬で口の中に飲み込まれてしまう。

そのため、釣り上げるとハリが飲まれていることが多い。

1カ所に溜まる

ライトなタックルで釣ると、かなり激しい引きを見せる。また、同じ場所に投げて釣るとすぐに掛かってくるほど、1カ所に溜まっている。投点を少しズラすだけで釣れなくなるので、ヒイラギが掛かってきたら投点をかえるだけでOKだ。

シロギスとはあまり同じピンポイントでは釣れないので、少し好みの底質が違うのかもしれない。ハリを吸い込むので群れに当たってしまうと、仕掛けの動かし方などでは避けることが難しい魚である。

以上、チョイ投げの定番である5種類のゲストの特徴と避け方を紹介した。逆にそれらのゲストを狙う時には、避けるのと逆の釣り方をすればOKだ。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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