釣りたての新鮮な魚を食べられるのは釣り人の特権。今回は釣魚を美味しくいただくための「包丁」の使い方を解説。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・池田翔)
魚用包丁の種類
まずは包丁の種類ですが、魚を捌くのに代表的な包丁は「出刃包丁」と「柳刃包丁」の2種類です。素材もステンレスから鋼、最近ではダマスカス鋼風の包丁など様々なものがあります。
魚を扱う人なら一般的に、鋼の包丁を使用していると思います。鋼も主に白紙と青紙の2種類に分けられます。青紙の方が硬度が高く切れ味が持続しますが、硬いがゆえに、砥ぎ辛くなります。一方、白紙は、純度が高く切れ味が鋭いですが、青紙に比べて硬度は落ちます。
それぞれの特性を活かしながら、使い分けるといいでしょう。
出刃包丁
出刃包丁は主に、魚を切り身にするまでの工程で使用します。長さや厚さは好みによるところが大きいかもしれませんが、骨まで断つことを考えると、やや厚みのある出刃の方がいいと思います。

素材は青紙をオススメします。なぜなら骨を断つからです。青紙にも青紙1号、青紙2号、青紙スーパーとありますが、スーパーまでいくと硬すぎてなかなか砥げなくなるので、青紙2号もしくは1号で十分です。
筆者愛用の出刃包丁
ちなみに私が使用している出刃包丁は、地元の老舗包丁店で購入したもので、青紙1号で刃渡りが180mmのタイプです。価格は3万円弱だったと記憶しています。
私は「打ち粉」という研磨剤で手入れしていますが、3カ月に1回ほど砥げば、切れ味は問題ありません。1年に1回くらい、包丁店に砥ぎに出すと、より長持ちしますよ。
柳刃包丁
柳刃は魚を3枚におろした後の工程から使用します。包丁をギコギコせずに一筋で身を切っていくためには、やや長さのある包丁の方がいいでしょう。素材は白紙の方がいいと思います。

冒頭でも説明しましたが、白紙は青紙に比べて切れ味が鋭く、身を押しつぶさずに切れます。白紙にも1号、2号、3号とあり、さらに本焼きと呼ばれる鋼のみで造られた包丁は値段もグンと上がります。
筆者愛用の柳刃包丁
私は東京築地にある東源正久の白紙2号 刃渡り360mmの包丁を使用しています。価格は3万円ほどでした。出刃も柳刃も、もっと安価で買える物はありますし、1万円もしない安価な包丁でも性能のいい物もあります。
刺身の引き方
刺身の引き方には大きく「平切り」と「そぎ切り」があります。
赤身の魚は「平切り」向き
赤身の魚は身が柔らかく、ある程度厚く切る場合が多いので平切りをします。また切る時には、筋や繊維を断ち切るようにしてください。繊維や筋が残っていると、噛んだ時に歯ざわりが悪くなります。
白身の魚は「そぎ切り」向き
白身の魚は身に弾力があるので、薄くそぎ切りにすると良いでしょう。この時も筋や繊維などの「目」を断ち切るようにするといいでしょう。繊維を断ち切ることで組織を壊し、うまみ成分を出してくれるとも言われています。
炙りがオススメな魚も
今が旬のイサキなどの魚は、皮と身の間にたっぷりと脂とうまみを蓄えています。こういう魚は皮引きをせずに、皮目に横2本ほど切れ込みを入れて、表面を炙ることをオススメします。
この時に中途半端に炙ると生臭さが残るので、しっかりと炙ってあげるのがポイントです。あとは平切りにしてお皿に並べたら、贅沢で最高に美味しい刺身のでき上がりです。ぜひ参考にしていただき、釣るのも食べるのも楽しみになってもらいたいですね。
<池田翔/TSURINEWS・WEBライター>