波止タチウオの開幕シーズンは、メタルジグが有利。8月22日の今季初タチウオ釣行でもメタルジグで好釣果となりました。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
大阪『泉佐野一文字』で波止タチウオ
8月22日午前中に葵渡船さんを利用して、大阪・泉佐野一文字へタチウオ釣行してきました。今シーズン初のタチウオ釣行なので、今回は数釣りを楽しむためにもメタルジグを使用したライトショアジギングで挑みます。

例年、大阪湾ではお盆辺りからポツポツとタチウオが上がり始め、本格的なシーズンインの9月に向けて釣果が上がっていく傾向にあります。ハイシーズンになるとF3、F4(体高が指の幅で3本、4本の意味)サイズをアベレージに、多くの群れが入り手軽にタチウオ釣りを楽しめます。
波止タチウオのシーズン
波止からのタチウオ釣りのシーズンは12月中頃に終わりを迎えますが、この終盤の時期にはドラゴンサイズの大型タチウオにお目にかかることもできます。タチウオは光量が少なくなるにつれて接岸し、光量が増えるとともに沖に出ていきます。夕マヅメ前から釣れ始め、朝マヅメが終わり明るくなる頃には釣れなくなるのが一般的です。
しかし、お盆過ぎから8月末の時期に釣れるタチウオは、沖からきた成長したタチウオではなく、今年生まれた個体がほとんどです。そのため沖には出ず、波止から一文字の間の深場に居ついている場合が多く、波止では夜間のイメージが強いタチウオを日中でも狙うことができます。
タックル紹介
今回のタックルは8.6ftのシーバスロッド(MLアクション)に、スピニングリール3000番、PEライン0.8号、リーダー4号(フロロカーボンライン)です。
タチウオは歯が鋭いので、ワイヤーリーダーを使用している人も多く居ます。しかし、ワイヤーリーダーは切れにくい反面、タチウオに違和感を与えるので、フロロカーボンラインの4号を使用しています。
タチウオはワーム、ミノー、バイブ、メタルジグと様々なルアーで狙えます。中でもワインド釣法が代表的で、上下左右にアピールできて手返しも良いのが特徴です。
ただ、この時期はタチウオの個体数も多く、好奇心も強いので、それほどルアーの質感やアクションの違いによる反応の差は感じられません。数釣りで周りに差をつけるためには、ルアーの質感やアクション以外で差をつけることが大切です。
当日の状況
当日は中潮で8時48分が満潮。土曜ということもあり、3時半に駐車場に到着するも、すでに多くの人が出船を待っている状況でした。4時半の一番船に乗れるかどうか、不安も過ぎりましたが、無事に乗船でき一安心です。一文字に渡ってみると、思いのほか風が強く、水面が波立った状況です。このような風が強い日に扱いやすい点もメタルジグのメリットです。

ゆっくりめのシャクリで本命
風が強く表層が波立った状況でしたが、ベイトとなる小魚の群れは確認できました。朝マヅメ前後のルアーアクションは「浅く、ゆっくり、ていねいに」が基本です。暗い時間帯はタチウオも表層付近に浮いているので浅く、そして光量が少ない分ルアーを追い切れなくなるのでゆっくり、ていねいなアクションを心がけます。
グロー系のメタルジグ20gをセットして、いざキャスト。キャスト後はカウントなしのダダ巻き中心に、たまにゆっくりめのシャクリを加えて、ていねいに表層を攻めます。
さい先良く一投目から「コツッ、コツッ」とバイトが得られたので、すかさず軽くアワセを入れてあげます。金属的なバイトは感じられなかったものの、しっかりと重みがロッドに伝わってきました。
タチウオ特有の途中で諦める引きを堪能しつつ、慎重に引き寄せ、久々にタチウオと対面です。まだまだ小ぶりで食べるにはかわいそうなサイズなのでリリースしましたが、今シーズン初キャッチはやはり嬉しいものでした。
ワインドでも挑戦
ここからは活性が高いのか、大きな群れでいるのか、周りの人も含め毎投アタリがある状況です。そのためルアーによる釣果の差は感じられませんでしたが、徐々にキャッチできる尾数に差をつけることができました。
今回、釣果に差をつけることができたのは、手返しの良さと、フッキング率の差と考えています。メタルジグはワインド釣法のようにワームの交換やワームの向き調整、フックの位置調整の必要がない分、手返しが良くなります。
結果的にキャストできる回数が増えるので、釣果にも影響してきます。そして、私が一番実感しているのが、フックサイズの違いによる釣果の差です。ワインド釣法はアピール力も高く、多くのバイトを得ることができます。
しかし、この時期のタチウオは小型のため、バイトがあってもフッキングにまで至らないケースが多いです。やはりメタルジグと比べてフックが大きい分、小型のタチウオに対してはフッキング率が悪くなります。
以前、それならばとフックのサイズを下げて試したこともありましたが、ワームの後方ばかりかじられる結果になり、歯がゆい体験をしました。タチウオは後方部分から捕食することが多いです。
深場をジグで攻めデイも続釣
日が昇るにつれてバイト数が減ってくると、帰る準備をする人もチラホラ。ハイシーズンであれば、私も帰宅準備をするのですが、この時期はまだまだ釣果が伸ばせます。
日が昇った後に波止からタチウオがいる深場にルアーを送ることができるのは、波止から一文字の間に居ついている今の時期だけです。朝マヅメの間に目星を付けておいた深場めがけてフルキャスト。飛距離が出るのもメタルジグの利点です。
そして、深場のポイントはメタルジグでないと届かない場合が多いのです。キャストしたらしっかりと底を取ります。ここでもメタルジグの沈下速度が有利になります。今回のポイントは30gのジグで、着底まで14カウントあったので、底を取る間にもかなりの差が生じ、群れが離れるまでにキャストできる回数がかわってきます。
アジ交じりでヒット堪能
底を取った後に3回、鋭くシャクリを入れ、ピタッと止めてフォール中のバイトを待ちます。明るい時間帯は、深く、速くが基本です。「ココッ」と、気持ちの良いバイトにアワセを入れるとヒット。上がってきたのはかわいいタチウオでした。

居ついていることが確認できたので、群れが離れるまで同じポイントにキャストします。また、底を狙っているので、タチウオの間に20cm前後のアジも交じり、両方の引きを楽しむことができました。

11時頃になると日差しが強く、準備していた水分も底をついたので納竿としました。シーズン初のタチウオ釣行は小型ながらも満足のいく結果となりました。タチウオの個体数も多く好奇心が強い今の時期は、飛距離、沈下速度、フッキング率、手返しのどれを取ってもメタルジグに軍配が上がります。一度メタルジグで釣果の差を実感してみてください。
タチウオ料理を堪能
タチウオは非常に美味しい魚です。料理例としては、塩焼き、刺し身、ムニエル、昆布締め、スープなどなど、様々な食べ方があります。

今回は小型のためリリースしましたが、1尾だけでも持って帰って「骨せんべい」にして食べれば良かったかな……などと後悔してます。いろいろな料理も楽しめるタチウオ、9月からのハイシーズンが待ち遠しいものです。
<中野和哉/TSURINEWS・WEBライター>
▼この渡船について葵渡船
出船場所:大阪府泉佐野市泉佐野漁港
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