チヌ(クロダイ)のフカセ釣りに使用するウキといえば、「円錐ウキ」と「棒ウキ」の2種類。今回はそれぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介していきましょう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
チヌフカセに使用されるウキ
磯や波止のフカセ釣りにおいて、グレ釣りと並んで人気の高い釣りと言えばチヌ釣りでしょう。むしろ、波止釣りにおいてはチヌ釣りをメインとして、足げに通う釣り人も数多く、その人気はグレ釣りとほとんど二分しています。

チヌ(クロダイ)のフカセ釣りに使用するウキと言えば、中通し式や環付きの「円錐ウキ」タイプ、そして形状が全く違った棒状の「棒ウキ」に大きく2分されます。
フカセ釣りでチヌを狙う場合、良く釣り場で見かけるのが50cm以上もある、長い棒ウキを使った釣り方です。グレ釣りでは主に円錐ウキを使って釣りを組み立てますが、チヌのフカセ釣りでは棒ウキを使われる方が多いようです。
ウキの役割を考える
では、棒ウキ、円錐ウキをチヌ釣りで使用する場合、どのようなメリット、デメリットがあるのか考えてみましょう。
ウキの持つ役割には、
1.仕掛けを狙ったポイントへ送り込む
2.魚のアタリを釣り人に知らせる
3.さしエサの有無を判断する
4.潮の動きを伝える
など、棒ウキにしろ円錐ウキにしろ、どちらのウキを使いこなすにしてもその特性を知っておく必要があるのです。では、2タイプのウキについて、その特徴などを紹介していきましょう。

棒ウキの特徴
まずは棒ウキですが、自立式タイプと非自立式タイプがあります。自立式タイプの棒ウキはオモリが内臓されていることから、浮力調整用のオモリを打たなくても、自力で海面に浮いているので、軽い仕掛けから重い仕掛けまで幅広く使い分けることが可能です。

対して、非自立式タイプは浮力調整用のオモリを使用して海面に立たせるので、どちらかと言えば深ダナ狙いが多くなる、チヌ釣りなどに用いると効果を発揮することが多いです。
棒ウキのメリット
チヌのフカセ釣りで棒ウキを使う場合のメリットは、一にも二にも高感度にあります。その細身の形状から、海水の抵抗が円錐ウキに比べて小さく、魚のアタリがダイレクトにウキへ伝わりますので、アタリがあればちゅうちょなく水面に出ているトップが海中へと消し込まれるのです。

また、水面に出ているトップ部分の視認性が高く、慣れてくれば、トップの動きだけでさしエサの有無、エサ取りのアタリなどを見極めることができるのも、棒ウキの特徴と言えます。
さらに遊動式の棒ウキでは、ウキの脚についたスイベルや環などを道糸に通して仕掛けを沈めます。ウキの中を道糸が通る円錐ウキに比べて接点が小さく、滑りが良いのが特長です。
棒ウキのデメリット
デメリットも無いわけではありません。たとえば風が強く、波がある場所などでは、水面から飛び出したトップの部分が縦、横にあおられてフラついたり、スイベルを通したラインが水中を漂うので、円錐ウキに比べてラインメンディングが難しくなります。
棒ウキを使用する釣りではこれらのメリット、デメリットを考慮した釣技が求められることになるでしょう。
円錐ウキのメリット
円錐ウキですが、グレのフカセ釣りではこの円錐ウキがほぼ主流で使われています。
メリットとしては、
1.道糸がウキの頭(中通しウキ)から出ているので操作性が抜群に良い
2.波や潮乗りが良く、荒れた海況などでも扱いやすい
3.潮の速い場所や風の強い時にはオモリの調整で水面下へ沈めて釣るなど、タフコンディションを回避しやすい
など、ある意味、棒ウキとは真逆のメリットを持ち合わせています。

円錐ウキのデメリット
円錐ウキのデメリットとしては
1.海面に出ているウキの頭の部分が小さいことから、ポイントが遠くなればなるほどウキの視認性が悪くなる。
2.中通しウキの場合、中央部分の穴径(約2~3mm)が小さいため、棒ウキに比べて糸落ちが悪く、仕掛けがなじむまでに時間を要する。
などが挙げられます。以上のように、どちらのウキを使うにしても一長一短があるのです。
状況によって使い分けよう
自分の釣りが棒ウキ使用に合っているのか、あるいは円錐ウキ使用に合った釣りなのか、釣り場の状況は磯なのか波止なのか、風は強いのか弱いのか、潮は速いのか緩やかなのか、波はあるかないかなど外的要因をも想定し、その時に合ったウキを選択することで少しでもチヌに巡り会える確率を高めていただきたいと思います。
<兵頭良弘/TSURINEWS・WEBライター>
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