夏~秋シーズンのグレ攻略に重要な要素となる「サラシ」。今回は、磯でのグレフカセ釣りにおけるサラシの活用法について解説しましょう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
季節は秋グレのシーズンへ
9月に入って、虫の鳴く声と相まって、いよいよ秋の足音が少しずつ近づいて来ているような季節感を覚えているのは私だけでしょうか。
確かに連日、まだまだ30度を超える厳しい暑さが続いていますが、最近、磯や波止で釣れ始めた魚種を見ていると、秋のターゲットとして人気の高い青物や秋グレ、アオリイカなどが少しずつ顔を見せ始めています。もうしばらくすると、さらに数、型も良くなり本格的な秋磯、秋波止のシーズンを迎えることになるでしょう。
さて、今回のテーマは「サラシ」です。夏から秋にかけての高水温時、磯や波止釣りにおいてグレなどを狙う場合、好ポイントになる「サラシ」について考えてみたいと思います。
サラシとは
サラシは岸や岩、根などにぶち当たった波が白泡となって、海中に漂う状態で、一見すると青い海の中で、泡の粒によって白く濁っているように見える状態です。白い空気の粒なので、放っておくと水面に浮いてなくなりますので、サラシがある場所は常に波が障害物に当たり続けていることが条件です。
サラシの重要性
サラシは白泡によって水面下が白く濁っていることから、太陽光線を遮り、人間の影や気配を消してくれます。魚の警戒心が薄れ、さらに波の砕ける音で人の足音までも消してくれるますから、魚は大胆にエサを取る活動を行うことができるのです。
また、サラシの中には豊富な酸素が含まれており、複雑な潮の流れが束なっていることもあって、大小たくさんの魚が集まってくる好ポイントとなるので、釣りでは絶対に外せない好場となります。海に出た際にはよく観察をしてみてください。
サラシ攻略は釣果に直結
私が磯釣りを始めた頃(35年前)、一緒によく釣りに連れて行ってもらった先輩から言われていたのが「魚はサラシを釣れ、サラシの中を釣れ」という言葉。これは35年経った今でも、何ら変わるものではありません。サラシはいろいろな魚を釣る上で、重要なポイントとして、何としても攻略しなければならない必須条件なのです。
『2つのサラシ』を見分けよう
一言で「サラシ」と言っても、磯際から白い泡が沖に向かって広がっていれば魚が釣れるのか…と言えば決してそうではありません。見た目には同じようなサラシでも「ウソのサラシ」と「本命のサラシ」があります。
ウソのサラシ
一見、上から見ていると磯際や水際が白い泡で濁り、いかにも「サラシ」なのですが、実は潜り潮がどこにもなく、白い泡が無造作に水面を沖に向かって大きく広がるのが「ウソのサラシ」です。
まきエサを入れても、表層をアッと言う間に滑り、広がって分散しながら沖へ流れてしまいます。また、さしエサが海中になじまないので、ポイントから外れてしまい、まきエサと全く同調せず、ターゲットとなる魚もサラシの中に入ってきません。
さらに、海中へ巻き込むサラシがなければ新しい酸素を水中へ供給できないので、魚の住みかとしては不適合と言えます。
本命のサラシ
狙いたい白い泡のサラシが沖で合流し、その地点で潮のヨレが発生したり潜り潮ができているようなポイントがあれば最高です。平面的にはサラシの中で一番、緩い流れの潮が沖に払い出している場所や、立体的には磯際から打ち返したサラシが潜り込んむ所や、何本かの払い出しの潮筋がぶつかるところなどです。
基本はまきエサが水面を上滑りしないで、引き込まれる場所ができているような場所が最高のサラシ場となります。潜り込むサラシは、新鮮な酸素を海中へ供給するので魚も住みやすく、様々な魚のアタリが期待できるのです。
まきエサのタイミング
サラシは大きければ大きいほど、まきエサが拡散されてしまうのは言うまでもありません。したがって、サラシの中を狙う場合、まきエサはできるだけ「少量ずつを絶え間なく」撒き続けてください。
エサを撒くタイミングは、波が磯から払い出そうとする瞬間に合わせて打ち込めば、まきエサはは海中へなじみやすくなります。沖を狙う場合は、ウキの動きと仕掛けのなじみ方を細かく観察し、表層を流れる潮ではなく、サラシの中にまきエサがなじみながら狙ったポイントへ運んでくれる潮を狙います。
仕掛けの操作法
いろいろな潮が重なるサラシの中では、仕掛けに対する抵抗がかなり大きく、ラインメンディングを怠るとアッと言う間にウキだけが流され、フカセ釣りの基本であるさしエサ先行型の釣りが難しくなります。
サラシに仕掛けを入れる場合、さしエサから入れて、ラインを張り気味に操作し、ある程度さしエサ、ハリスがなじんでからウキを入れるなど、あくまでもさしエサ先行型の釣りを心掛けることが重要です。
ガン玉の利用
しかし、サラシの強さ、潮の速さによってはハリスにガン玉を打つことで、よりさしエサの安定を図りながら仕掛けに張りを持たせて、狙ったタナを攻めていかなければならないことが多々あります。
私の場合、サラシの強弱にもよりますが、比較的、強いサラシを釣る時にはガン玉Bを3個の段打ちにしてみたり、時には2B、Bと重さの違うガン玉を2段打ちするなど、その時の状況に合わせて、どのガン玉の打ち方が一番、さしエサのなじみが良いのかをいく通りも試してみるように心掛けています。
いずれにしてもサラシ狙いではこのガン玉使いが重要な攻略法となりますので、ぜひ、実践で試して頂きたいと思います。
サラシの中は魚の警戒心も薄れ、とてつもない超大物に出会うことがしばしばあります。サラシ狙いではハリスの太さも見えにくいと言う利点もありますので、1ランク上のタックルで挑むことをお勧めします。
<兵頭良弘/TSURINEWS・WEBライター>
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