日本各地には独特、かつ魅力的な釣趣を持つ「ご当地ならでは」の釣法があります。今回は清水港で盛んに行われている、投光器を使ったタチウオの垂らし釣りを紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
投光器を使った「垂らし釣り」
清水港では、夜釣りで投光器を使ったご当地釣法「垂らし釣り」が人気です。投光器で海面を照らしてタチウオやアオリイカなどを足元まで寄せて釣るのが特徴で、夜になると投光器の光があちこちで見られます。
一昔前までは投光器の明かりがずらっと並ぶ光景が見られましたが、国際条約(ソーラス条約)発効に伴って釣り場が激減し、同時に海面を照らす投光器の光も減ってしまいました。
それでも、手軽に夜釣りが楽しめることから現在でも愛好者が多く、現在も釣りが可能なポイントでは毎晩のように投光器の明かりが見られます。
LED投光器が主流に
垂らし釣りの特徴でもある投光器ですが、数年前まではエンジンまたはバッテリーが主流でした。エンジンのパワーで海面を照らす光量は増すのですが、一方で重くて釣り場まで持ってくるのに一苦労。さらに、突然故障するようなトラブルも多くありました。
近年では、コンパクトで軽量な充電式のLEDライトが主流になっています。十分な光量もあって、故障などのトラブルも少ないので、昔からの垂らし釣り愛好者にも人気です。
ターゲット
次に、投光器を使った垂らし釣りのターゲットを紹介します。
1. タチウオ
鉄板のターゲットで、垂らし釣りでは他の釣り方と比べてもアタリの数は圧倒的です。
水面付近に浮いてくるタチウオが見えることもあり、状況によってはタチウオのサイトフィッシング(見釣り)も可能。足元でも普通にタチウオが釣れるので、垂らし釣り初挑戦の方は驚くかもしれません。
2. アオリイカ
投光器使用の垂らし釣りは、春から初夏にかけての大型アオリイカ狙いでも効果を発揮します。
タチウオのアタリが少ないタイミングがチャンスで、今年の初夏には2kgオーバーの大型が上がった実績も。シーズンによって、タチウオと狙い分けても面白いです。
3. シーバス
ベイトフィッシュが多いと、水面近くでたくさんのシーバスの姿を見ることができます。セイゴクラスが主体ですが、中には70cm以上の大型がヒットすることも。ルアー、エサ釣りともに比較的簡単に釣ることができるので、タチウオの調子が悪いときは気分転換に狙ってみても良いでしょう。
4. その他のゲスト
投光器の明かりに誘われてワタリガニが浮いてくることがあり、タモで簡単にすくうことができます。また、コウイカやヒイカなどが水面近くに現れることもあるので運良く見かけたらラッキーです。
楽しむためのコツ
次に、投光器を使用した垂らし釣りを楽しむためのコツを紹介。
1. 明かりの強さは「ロー」に
理由はハッキリと分かりませんが、薄暗い光量のほうが魚の寄りが良い傾向があります。また、LEDの投光器では充電も長持ちするので、長時間楽しむ場合も明るさはローにしましょう。
2. 食い込みの良い磯竿がベスト
誘いを掛けるなら取り回しが良く、食い込みも良い2.7mから3.9mの小継磯竿がオススメ。置き竿メインであれば5.3m程度の磯竿がピッタリです。硬さは2号から3号が食い込みとパワーのバランスが良く、使いやすいので参考にしてみて下さい。
3. 水面を観察してみる
ベイトが集まっていれば、タチウオやシーバスの捕食が見られることもあります。イカやワタリガニが浮いてきたり、バチ抜けを観察できたりと、のんびり水面を眺めているだけでも飽きません。子どもと一緒に観察しても面白いかも?
投光器使用時の注意点
投光器の光量が明るすぎると、周囲のアングラーに迷惑になってしまう場合もあります。光量は控えめに、照射範囲も必要最低限にするのがマナーです。
また、周囲に他のアングラーがいる場合はしっかり声を掛けて了承を得てから、投光器をつけるようにしましょう。
また、清水港では立ち入り禁止の場所が多く、そのような場所で投光器をつけるのはもちろんNG。そもそも立ち入るだけでも罰せられる可能性があるので、絶対に入らないようにしてください。
投光器を使って垂らし釣りをする時は周りのアングラーへの配慮とマナーの徹底が大切です。
<杉本隼一/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り場について清水港
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